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揃物・葛飾北斎・天保元〜4年頃(1830〜33年頃)

冨嶽三十六景

葛飾北斎が70歳を過ぎて手がけた、富士山を主題とする風景版画の揃物です。各地から見た富士を、季節や天候、人々の暮らしとともに描き、36図に10図を加えた全46図からなります。

冨嶽三十六景は、版元の永寿堂西村屋与八から出版された横大判の錦絵(多色摺りの木版画)の揃物(シリーズ)です。天保2年(1831)に広告文が出ていることから、天保元年か2年に刊行が始まり、天保4年頃に完成したと考えられています。題は三十六景ですが、のちに10図が加えられ、全46図になりました。

先に出た36図は輪郭線を藍で摺り、後の10図は輪郭線を墨で摺っています。後の10図は俗に「裏富士」とも呼ばれます。藍には、西洋から入って間もない顔料のベロ藍(ベルリン・ブルー)が多く使われました。藍の濃淡だけで摺った「藍摺」の図もあり、澄んだ青がシリーズ全体の印象を決めています。

描かれた場所は、江戸の町なかから東海道、甲斐、信濃、尾張、常陸まで広がります。大波の谷間の小さな富士、桶の輪の中の富士、雪の朝の富士のように、富士の置き方は一図ごとに工夫されています。この揃物の人気によって、風景画は浮世絵の一つの分野として定着しました。

全46図

揃物を所蔵する主な館

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

出典・参考