冨嶽三十六景 ・ 29
甲州三坂水面
ふがくさんじゅうろっけい こうしゅうみさかすいめん
Thirty-six Views of Mount Fuji: Reflection in Lake Kawaguchi from Misaka Pass in Kai Province
作品に ついて
湖の対岸にそびえる富士は、赤みを帯びた茶色の山肌を見せ、頂の雪はほとんどありません。ところが湖面に映る影は白く、雪をいただいた姿で描かれています。しかもその影は山の真下ではなく、左へずれた位置に置かれています。富士の山肌には、谷筋を示す細い線がわずかに引かれています。
実際の山と水に映る山を、季節も位置も変えて描き分けたこの趣向について、東京富士美術館は現実にはありえない虚構の風景だと述べています。影は淡い色の面だけで表され、輪郭をはっきり描かないことで、鏡のように静かな水面が感じられます。
題の「三坂」は御坂のことで、同館はこの図を御坂から見た河口湖と富士の眺めとしています。湖畔には茅葺きの家々が身を寄せ合うように集まり、湖には小舟が一艘浮かんでいます。河口湖は、湖面に富士が逆さに映る景色でも知られる場所です。画面の下半分を占める湖面は何も描かれない平らな色で、影の富士をいっそう印象づけています。
描かれた 場所の 今
河口湖は、平成25年(2013)に世界文化遺産に登録された「富士山」の構成資産の一つです。湖の北にそびえる御坂峠は、正面に富士と河口湖を見渡す眺めの場所として、富士河口湖町などに紹介されています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202777
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(34枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 甲州三坂水面(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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