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冨嶽三十六景 ・ 29

甲州三坂水面

ふがくさんじゅうろっけい こうしゅうみさかすいめん

Thirty-six Views of Mount Fuji: Reflection in Lake Kawaguchi from Misaka Pass in Kai Province

雪のない夏の富士が湖の向こうにそびえ、湖面には雪をかぶった白い富士が映っています。実際にはありえない組み合わせを一枚に描き込んだ、北斎の遊び心が感じられる図です。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
河口湖(山梨県)
遠くに見える場所
富士山

作品について

湖の対岸にそびえる富士は、赤みを帯びた茶色の山肌を見せ、頂の雪はほとんどありません。ところが湖面に映る影は白く、雪をいただいた姿で描かれています。しかもその影は山の真下ではなく、左へずれた位置に置かれています。富士の山肌には、谷筋を示す細い線がわずかに引かれています。

実際の山と水に映る山を、季節も位置も変えて描き分けたこの趣向について、東京富士美術館は現実にはありえない虚構の風景だと述べています。影は淡い色の面だけで表され、輪郭をはっきり描かないことで、鏡のように静かな水面が感じられます。

題の「三坂」は御坂のことで、同館はこの図を御坂から見た河口湖と富士の眺めとしています。湖畔には茅葺きの家々が身を寄せ合うように集まり、湖には小舟が一艘浮かんでいます。河口湖は、湖面に富士が逆さに映る景色でも知られる場所です。画面の下半分を占める湖面は何も描かれない平らな色で、影の富士をいっそう印象づけています。

描かれた場所の今

河口湖は、平成25年(2013)に世界文化遺産に登録された「富士山」の構成資産の一つです。湖の北にそびえる御坂峠は、正面に富士と河口湖を見渡す眺めの場所として、富士河口湖町などに紹介されています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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