冨嶽三十六景 ・ 33
五百らかん寺さゞゐどう
ふがくさんじゅうろっけい ごひゃくらかんじさざいどう
Thirty-six Views of Mount Fuji: The Sazai Hall of the Temple of the Five Hundred Rakan
作品に ついて
縁側の床板の線は奥へ向かうほど狭まり、ちょうど富士のあたりへ集まっていくように引かれています。手すりにもたれた人々もみなそちらを向き、中には腕を伸ばして富士を指さす人もいます。絵を見る私たちの目も、自然と画面中央の小さな富士へ導かれます。富士の手前には平らな低地と村の屋根が広がっています。
景色を眺める旅人、髪を結った女性たち、子ども、床に腰を下ろして休む人など、顔ぶれはさまざまです。軒先には風鈴のような飾りが下がり、高い場所でくつろぐ人々のゆったりとした時間が伝わります。右手の堂の柱や格子窓は細い線で正確に描かれ、建物の中から外を眺めている感覚を強めています。
五百羅漢寺は元禄8年(1695)に本所、今の江東区大島に開かれた寺です。境内の三匝堂(さんそうどう)は3階建ての高い堂で、らせん状の通路がサザエの殻に似ていることから「さざえ堂」と呼ばれました。東京富士美術館によれば、ここからは隅田川を隔てて富士がよく見えたといいます。
描かれた 場所の 今
五百羅漢寺は明治41年(1908)に今の目黒区下目黒へ移り、さざえ堂は残っていません。江東区大島の旧地は「羅漢寺跡」として区の登録史跡になっています。目黒の寺には305体の羅漢像などが伝わり、東京都の有形文化財に指定されています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202765
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(34枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 五百らかん寺さざゐ堂(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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