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冨嶽三十六景 ・ 28

相州箱根湖水

ふがくさんじゅうろっけい そうしゅうはこねこすい

Thirty-six Views of Mount Fuji: Lake Hakone in Sagami Province

人の姿が一人もいない、静かな芦ノ湖の景色です。平たく帯のように描かれた霞と、まっすぐ立つ杉の木立が縦横のリズムをつくり、その奥に雪の白い富士が小さくのぞきます。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
芦ノ湖(神奈川県)
遠くに見える場所
富士山

作品について

冨嶽三十六景には働く人や旅人がよく登場しますが、この図には人物が見当たりません。湖面には波ひとつなく、画面のあちこちに、平たい帯のような霞が横たわっています。その間から杉の木立が鋭く伸び上がり、横の線と縦の線が交互に重なり合う構成です。湖の水は淡い青一色で塗られています。

湖の右岸には、杉に囲まれた青い屋根の建物が見えます。東京富士美術館はこれを箱根神社とし、富士の左右の山を三国山と駒ヶ岳とみています。富士は左奥の山並みのあいだに、雪の白い姿で小さく描かれています。水辺には小島や岬が入り組み、湖岸の複雑な形が平らな色面で描き分けられています。

箱根湖水とは芦ノ湖のことです。東海道の箱根越えの途中にある山上の湖で、湖畔には箱根の関所も置かれていました。緑と青、淡い黄に色数を絞った画面が、高い山の上の澄んだ空気と静けさをよく伝えています。人の気配を消したことで、杉の並び方や霞の形そのものが画面の見どころになっています。

描かれた場所の今

芦ノ湖の湖畔には今も箱根神社があり、湖の中に立つ「平和の鳥居」は昭和27年(1952)に建てられました。箱根町観光協会は、湖と鳥居と富士山を一度に見渡す眺めを、箱根を代表する景色として紹介しています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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