冨嶽三十六景 ・ 28
相州箱根湖水
ふがくさんじゅうろっけい そうしゅうはこねこすい
Thirty-six Views of Mount Fuji: Lake Hakone in Sagami Province
作品に ついて
冨嶽三十六景には働く人や旅人がよく登場しますが、この図には人物が見当たりません。湖面には波ひとつなく、画面のあちこちに、平たい帯のような霞が横たわっています。その間から杉の木立が鋭く伸び上がり、横の線と縦の線が交互に重なり合う構成です。湖の水は淡い青一色で塗られています。
湖の右岸には、杉に囲まれた青い屋根の建物が見えます。東京富士美術館はこれを箱根神社とし、富士の左右の山を三国山と駒ヶ岳とみています。富士は左奥の山並みのあいだに、雪の白い姿で小さく描かれています。水辺には小島や岬が入り組み、湖岸の複雑な形が平らな色面で描き分けられています。
箱根湖水とは芦ノ湖のことです。東海道の箱根越えの途中にある山上の湖で、湖畔には箱根の関所も置かれていました。緑と青、淡い黄に色数を絞った画面が、高い山の上の澄んだ空気と静けさをよく伝えています。人の気配を消したことで、杉の並び方や霞の形そのものが画面の見どころになっています。
描かれた 場所の 今
芦ノ湖の湖畔には今も箱根神社があり、湖の中に立つ「平和の鳥居」は昭和27年(1952)に建てられました。箱根町観光協会は、湖と鳥居と富士山を一度に見渡す眺めを、箱根を代表する景色として紹介しています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202776
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(34枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 相州箱根湖水(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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