冨嶽三十六景 ・ 42
相州仲原
ふがくさんじゅうろっけい そうしゅうなかはら
Thirty-six Views of Mount Fuji: Nakahara in Sagami Province
作品に ついて
画面の左手前、川の中にかがみ込み、網をすくう男がいます。そばを行き交う人々には目もくれず、仕事に打ち込む姿が往来のにぎわいと対照的です。板橋の上には、頭に桶をのせて背に赤子を負った女性と、天秤棒で箱を担ぐ行商人が歩いています。
道ばたには文字を刻んだ石碑が立ち、その脇を笠をかぶった旅人が進みます。右奥には、背に箱を負って杖を持つ人々の姿も見えます。富士の手前の緑の山は大山で、当時は大山の寺社に参る大山詣でが庶民の間で盛んでした。田の上には縄が張りわたされ、小さな板のようなものがいくつも下がっています。
仲原(中原)は今の神奈川県平塚市中原です。広い平野の先で富士がゆったりと裾を引き、左上の雲は藍で縁取られた独特の形をしています。36図の後に追加された10図の一つで、線が墨で摺られています。富士の左の稜線は細い一本の線で長く引かれ、画面の左端近くまで伸びています。右下には茅葺きの屋根の一部がのぞきます。
描かれた 場所の 今
中原には、徳川家康が鷹狩りの宿所とした中原御殿がありました。平塚市によれば、跡地に建つ中原小学校の校庭には御殿の石碑があり、学校のある「御殿」という町名にもその名残がうかがえます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202782
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(34枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 相州仲原(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
神奈川県をもっと知る
同じ土地の名物や、天然記念物の動物、祭りも訪ねてみませんか。






