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冨嶽三十六景 ・ 9

尾州不二見原

ふがくさんじゅうろっけい びしゅうふじみがはら

Thirty-six Views of Mount Fuji: Fujimigahara in Owari Province

職人が中に入って削るほど大きな桶の輪の向こうに、遠く小さな富士がのぞきます。大きな丸い桶と小さな三角の富士を重ねた、葛飾北斎の遊び心と大胆な構成がよく表れた一図です。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
富士見原(愛知県)
遠くに見える場所
富士山

作品について

画面の中央を、組み立て途中の大きな桶が占めています。桶の中では、もろ肌を脱いだ職人が身をかがめ、一心に内側の板を削っています。その桶の輪の向こうに田畑が広がり、地平線の上に白い富士がごく小さく見えます。桶の板は一枚一枚の継ぎ目まで細かく描かれています。

田畑は縦横の線とぼかしで表され、遠くまで平らに続いています。足元には竹の輪や道具箱、木槌が置かれ、桶づくりの現場がそのまま描かれています。富士に背を向けて働く職人の姿は、およそ15年前に出た「北斎漫画」にも登場します。働く人と富士を組み合わせた図は、「遠江山中」などにも見られます。

不二見原は名古屋の郊外にあった名所で、名古屋市は当時の「名古屋三景」の一つとして紹介しています。葛飾北斎は1812年と1817年に名古屋に滞在しており、この地をよく知っていたと考えられます。描かれた場所は富士見原とされますが、山梨県立博物館は、近くに桶屋町があった城下の伏見町の可能性も挙げています。

描かれた場所の今

描かれた富士見原は、今の名古屋市中区の富士見町付近と考えられています。名古屋市中区は、葛飾北斎の名古屋滞在とあわせて、名古屋三景の一つだった「不二見原」とこの絵を地域の魅力として紹介しています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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