冨嶽三十六景 ・ 1
神奈川沖浪裏
ふがくさんじゅうろっけい かながわおきなみうら
Thirty-six Views of Mount Fuji: The Great Wave off Kanagawa
作品に ついて
画面の左半分を占める大波は、先端が爪のように細かく割れ、白いしぶきを散らしています。その下で、細長い舟にしがみつく漕ぎ手たちは身をかがめるしかありません。富士は波の谷間に小さく置かれています。見る人は、海面すれすれから大波を見上げる位置に立たされます。
舟は押送船(おしおくりぶね)と呼ばれる船で、房総などから江戸へ魚や野菜を運びました。題の「神奈川沖」は、東海道の神奈川宿の沖に広がる江戸湾(東京湾)のことです。江戸湾には中世から品川や神奈川、六浦などの湊があり、漁船や各地の廻船が盛んに行き交っていました。
視点については、湾の対岸にあたる木更津の沖あたりから、西の富士を望んだとする説があります。動と静、近と遠の対比がはっきりしたこの図は、海外でも早くから知られました。画家ゴッホが手紙で激賞したことや、作曲家ドビュッシーが「海」の着想を得たことが、山梨県立博物館や江戸東京博物館の解説で紹介されています。
描かれた 場所の 今
神奈川宿は今の横浜市神奈川区にあった東海道の宿場で、県名と区名のもとになった地名です。関東大震災と戦災で宿場の建物はほとんど残っていませんが、台町の坂などに面影があり、区が「神奈川宿歴史の道」として案内板を設けています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-11177-4
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202743
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(34枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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