名画のふるさと名画と画家を地域から探す

冨嶽三十六景 ・ 20

遠江山中

ふがくさんじゅうろっけい とおとうみさんちゅう

Thirty-six Views of Mount Fuji: In the Mountains of Tōtōmi Province

高く組んだ支柱に巨大な角材を斜めに渡し、木挽き職人が上と下から大鋸を引いています。支柱がつくる三角の隙間から富士がのぞき、焚き火の煙が富士を囲む雲と重なっていきます。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
遠江(静岡県)
遠くに見える場所
富士山

作品について

画面を対角線に貫く角材は、人の背丈の倍以上の高さに掛けられています。一人は材木の上に乗って上から、もう一人は下から、大きな鋸で切り進めています。左下では別の職人が、鋸の目立て(刃を研いで整えること)をしています。そばでは焚き火が煙を上げています。職人たちの足元には、敷物のようなものが敷かれています。

富士は、材木を支える柱がつくる三角形の隙間に収められています。材木と支柱と富士がいくつもの三角形を重ね、幾何学的な画面をつくっています。焚き火の煙は材木と交わる向きに立ちのぼり、富士を囲む雲とつながるように描かれています。煙は輪郭を摺り残してぼかしを入れる、木版画ならではの方法で表されています。

山梨県立博物館は、職人たちの姿が鍬形蕙斎の「近世職人尽絵詞」から借りたものだと指摘しています。葛飾北斎はその姿を富士の見える高台に置き直し、自分の画面に仕立てました。題の「遠江」は国名で、具体的な地名は示されていません。

描かれた場所の今

遠江は今の静岡県のうち、大井川より西の地域にあたります。浜松市はそのほぼ西半分を占めています。廃藩置県の後に浜松県が置かれ、明治9年(1876)に静岡県と合併して、今の県域になりました。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

姉妹サイト

同じ土地の名物や、天然記念物の動物、祭りも訪ねてみませんか。