冨嶽三十六景 ・ 20
遠江山中
ふがくさんじゅうろっけい とおとうみさんちゅう
Thirty-six Views of Mount Fuji: In the Mountains of Tōtōmi Province
作品に ついて
画面を対角線に貫く角材は、人の背丈の倍以上の高さに掛けられています。一人は材木の上に乗って上から、もう一人は下から、大きな鋸で切り進めています。左下では別の職人が、鋸の目立て(刃を研いで整えること)をしています。そばでは焚き火が煙を上げています。職人たちの足元には、敷物のようなものが敷かれています。
富士は、材木を支える柱がつくる三角形の隙間に収められています。材木と支柱と富士がいくつもの三角形を重ね、幾何学的な画面をつくっています。焚き火の煙は材木と交わる向きに立ちのぼり、富士を囲む雲とつながるように描かれています。煙は輪郭を摺り残してぼかしを入れる、木版画ならではの方法で表されています。
山梨県立博物館は、職人たちの姿が鍬形蕙斎の「近世職人尽絵詞」から借りたものだと指摘しています。葛飾北斎はその姿を富士の見える高台に置き直し、自分の画面に仕立てました。題の「遠江」は国名で、具体的な地名は示されていません。
描かれた 場所の 今
遠江は今の静岡県のうち、大井川より西の地域にあたります。浜松市はそのほぼ西半分を占めています。廃藩置県の後に浜松県が置かれ、明治9年(1876)に静岡県と合併して、今の県域になりました。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202761
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(34枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 遠江山中(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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