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冨嶽三十六景 ・ 2

凱風快晴

ふがくさんじゅうろっけい がいふうかいせい

Thirty-six Views of Mount Fuji: Fine Wind, Clear Morning (Red Fuji)

うろこ雲の浮かぶ藍の空を背に、赤く染まった富士が画面の右半分を占めます。山と空と裾野の森だけで組み立てた、通称「赤富士」として知られる葛飾北斎の代表作の一つです。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
富士山(静岡県)

作品について

描かれているのは富士山と空、雲、裾野の森だけです。山は画面の右に寄せて大きく置かれ、頂には雪が筋になって残っています。山肌は上ほど濃い赤茶で、下へ行くほど色が薄れ、点々と描かれた裾野の森へつながります。色を少しずつ変えて摺る「ぼかし」が、この明るさの移り変わりを生んでいます。

題の「凱風」は南風、「快晴」は晴れわたった空のことです。夏から初秋の早朝には、朝日を受けた富士の山肌が赤く見えることがあります。葛飾北斎はその一瞬を、簡潔な形と少ない色でとらえました。空に並ぶうろこ雲は秋の気配を感じさせ、山の静けさを引き立てています。

江戸時代の文人の間では、箱根あたりから見る冬の朝の富士が、雪を紅に輝かせる「紅玉芙蓉」として話題になっていました。この図の富士がどこから見た姿かは決まっていませんが、河口湖のあたりから見た北側の姿とする説があります。次の「山下白雨」が「黒富士」と呼ばれたのに対し、この図は「赤富士」の名で親しまれてきました。

描かれた場所の今

富士山は静岡県と山梨県にまたがる山で、2013年に「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産に登録されました。富士山世界文化遺産の公式サイトでは、冨嶽三十六景などの浮世絵が「芸術の源泉」の例として紹介されています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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