冨嶽三十六景 ・ 2
凱風快晴
ふがくさんじゅうろっけい がいふうかいせい
Thirty-six Views of Mount Fuji: Fine Wind, Clear Morning (Red Fuji)
作品に ついて
描かれているのは富士山と空、雲、裾野の森だけです。山は画面の右に寄せて大きく置かれ、頂には雪が筋になって残っています。山肌は上ほど濃い赤茶で、下へ行くほど色が薄れ、点々と描かれた裾野の森へつながります。色を少しずつ変えて摺る「ぼかし」が、この明るさの移り変わりを生んでいます。
題の「凱風」は南風、「快晴」は晴れわたった空のことです。夏から初秋の早朝には、朝日を受けた富士の山肌が赤く見えることがあります。葛飾北斎はその一瞬を、簡潔な形と少ない色でとらえました。空に並ぶうろこ雲は秋の気配を感じさせ、山の静けさを引き立てています。
江戸時代の文人の間では、箱根あたりから見る冬の朝の富士が、雪を紅に輝かせる「紅玉芙蓉」として話題になっていました。この図の富士がどこから見た姿かは決まっていませんが、河口湖のあたりから見た北側の姿とする説があります。次の「山下白雨」が「黒富士」と呼ばれたのに対し、この図は「赤富士」の名で親しまれてきました。
描かれた 場所の 今
富士山は静岡県と山梨県にまたがる山で、2013年に「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産に登録されました。富士山世界文化遺産の公式サイトでは、冨嶽三十六景などの浮世絵が「芸術の源泉」の例として紹介されています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-11176-1
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202744
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(12枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 凱風快晴(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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