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冨嶽三十六景 ・ 12

相州七里浜

ふがくさんじゅうろっけい そうしゅうしちりがはま

Thirty-six Views of Mount Fuji: Shichirigahama in Sagami Province

藍一色の濃淡で、鎌倉の丘から相模湾に突き出た岬と、その背後にそびえる富士を見渡した図です。浜辺そのものはほとんど描かず、岬と富士を大きくとらえた構成が目を引きます。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
七里ヶ浜(神奈川県)
遠くに見える場所
富士山

作品について

手前右の丘から見下ろすと、木々の茂る岬が海へ突き出し、そのすぐ後ろに富士が大きくそびえています。岬のふもとには七里ヶ浜の端の集落が小さく見え、左の沖には島影が浮かびます。景色の主役は浜ではなく、岬と富士です。丘の斜面は点を打つように描いた木々で覆われ、手前の波打ち際には細い波の線が幾重にも重なっています。

山梨県立博物館は、今の鎌倉山付近から小動(こゆるぎ)岬や江の島越しに富士を望んだ図と見ています。ただし富士以外の景色は南西を向いた構図で、実際にこの並びで見るのは難しいとも指摘しています。東京富士美術館も、左の島を江の島と思われるとしています。

この図は、シリーズの広告文にも名前が挙がった初期の藍摺の一枚です。藍一色の濃淡は墨絵のような趣で、強い日差しの中で海辺がまぶしく白んで見える様子を思わせます。色数の多い摺りでは西の空が染まり、逆光で集落や島が暗く沈んでいく夕方の景色として表されています。

描かれた場所の今

七里ヶ浜は神奈川県鎌倉市の海岸です。鎌倉市は、海岸線越しに江の島と富士山を望む眺めを、市を代表する景観に選んでいます。稲村ヶ崎の公園や行合橋付近の海岸が見どころで、砂鉄による黒い縁取りの砂浜も特徴です。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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