冨嶽三十六景 ・ 5
東都駿台
ふがくさんじゅうろっけい とうとすんだい
Thirty-six Views of Mount Fuji: Surugadai in Edo
作品に ついて
画面には二筋の坂道が重なり、大勢の人が上り下りしています。荷を担ぐ行商人、笠をかぶった巡礼者、供を連れた武士など、身なりも動きもさまざまです。人々の向きや歩みがばらばらなことで、坂の上の場面に変化が生まれています。手前の坂道には段が刻まれ、急な下り坂であることがわかります。額に扇をかざして日差しをよける人の姿もあります。
土手の木々や草は三種類の鮮やかな緑で摺り分けられ、季節は新緑の頃と見られます。その緑に、眼下を流れる神田川の青が調和しています。右手の大きな屋根と木々の間が開けた先に、富士が小さく見えます。
題の「駿台」は駿河台のことです。千代田区の町名由来によると、ここはもと本郷・湯島の台地と続く「神田山」で、神田川の開削で切り離されました。徳川家康の死後、駿府から戻った旗本たちが、富士を望むこの高台に屋敷を構えたのが名の由来です。描かれた坂の位置ははっきりせず、山梨県立博物館は、対岸の水道橋付近の坂から駿河台越しに富士を見た図と見ています。
描かれた 場所の 今
神田駿河台は今も千代田区の町名として残り、神田川の谷をはさんで文京区湯島と向き合っています。谷に架かるお茶の水橋と聖橋は、千代田区の景観まちづくり重要物件に指定されています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202747
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(34枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 東都駿台(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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