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冨嶽三十六景 ・ 5

東都駿台

ふがくさんじゅうろっけい とうとすんだい

Thirty-six Views of Mount Fuji: Surugadai in Edo

神田川へ下る坂道を、武士や行商人、巡礼者がそれぞれの足取りで行き交います。木々と大きな屋根の切れ目の先に、小さな富士が白く顔を出す、新緑の頃の江戸の坂の眺めです。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
駿河台(東京都)
遠くに見える場所
富士山

作品について

画面には二筋の坂道が重なり、大勢の人が上り下りしています。荷を担ぐ行商人、笠をかぶった巡礼者、供を連れた武士など、身なりも動きもさまざまです。人々の向きや歩みがばらばらなことで、坂の上の場面に変化が生まれています。手前の坂道には段が刻まれ、急な下り坂であることがわかります。額に扇をかざして日差しをよける人の姿もあります。

土手の木々や草は三種類の鮮やかな緑で摺り分けられ、季節は新緑の頃と見られます。その緑に、眼下を流れる神田川の青が調和しています。右手の大きな屋根と木々の間が開けた先に、富士が小さく見えます。

題の「駿台」は駿河台のことです。千代田区の町名由来によると、ここはもと本郷・湯島の台地と続く「神田山」で、神田川の開削で切り離されました。徳川家康の死後、駿府から戻った旗本たちが、富士を望むこの高台に屋敷を構えたのが名の由来です。描かれた坂の位置ははっきりせず、山梨県立博物館は、対岸の水道橋付近の坂から駿河台越しに富士を見た図と見ています。

描かれた場所の今

神田駿河台は今も千代田区の町名として残り、神田川の谷をはさんで文京区湯島と向き合っています。谷に架かるお茶の水橋と聖橋は、千代田区の景観まちづくり重要物件に指定されています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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