冨嶽三十六景 ・ 44
駿州片倉茶園ノ不二
ふがくさんじゅうろっけい すんしゅうかたくらちゃえんのふじ
Thirty-six Views of Mount Fuji: The Tea Plantation at Katakura in Suruga Province
作品に ついて
中景の茶畑には、そろいの笠をかぶった女たちが列をつくってしゃがみ込み、茶葉を摘んでいます。左手前では男たちが籠を担いで運び、右手の建物の前には摘んだ葉を入れる大きな入れ物が並びます。手前の小さな橋では、荷を積んだ馬を男が引いて渡っています。遠くの畑の向こうにも茅葺きの家々が並び、茶園の広さがうかがえます。
右手には大木が枝を広げ、茅葺きの建物の上を霞が横切っています。画面中央の富士は、雪の白から藍の山肌へと移り変わり、茶畑の淡い黄色とくっきり対照をなしています。茶畑のあいだを流れる小川は曲がりくねって手前へ続き、画面に奥行きを生んでいます。
駿河(今の静岡県)は茶の産地として知られていました。ただし「片倉」という地名は確かめられておらず、東京富士美術館は、静岡県駿東郡清水町の徳倉を誤って刻んだ可能性を挙げています。描かれた場所ははっきりしません。36図の後に追加された10図の一つで、線を墨で摺っています。
描かれた 場所の 今
描かれた片倉の場所ははっきりしませんが、富士山の南麓には今も茶畑越しに富士を望む土地があります。富士市大淵の「大淵笹場」は電線の入らない茶園越しの富士の撮影地として市が紹介しており、茶畑は私有地のため立ち入らないよう呼びかけています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202786
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(34枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 駿州片倉茶園ノ不二(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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