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冨嶽三十六景 ・ 25

登戸浦

ふがくさんじゅうろっけい のぼとうら

Thirty-six Views of Mount Fuji: Noboto Bay

浅瀬に立つ大きな鳥居の柱のあいだに、遠く富士がおさまる一枚です。足もとでは潮干狩りの人々が貝を探し、籠を頭上にかかげて運び、子どもたちがはしゃいで駆け回っています。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
登戸(千葉県)
遠くに見える場所
富士山

作品について

画面の左寄りに立つ大きな鳥居が、そのまま富士を囲む額縁になっています。いちばん上の横木(笠木)は右上がりに大きく傾いて描かれ、その下、二本の柱のあいだの奥に白い富士が見えます。左手前にはもう一つ小さな鳥居があり、大小の鳥居が浅瀬の奥行きを感じさせます。

潮の引いた浅瀬では、かがんで貝を探す人、籠を頭の上に持ち上げて運ぶ人、笠をかぶって荷を下げる人などが行き交います。左端では子どもたちがはしゃいで走っています。右手には松の茂る丘と茅葺きの屋根が続き、海辺の村の暮らしぶりが伝わります。人物は小さく描かれていますが、腕の上げ方や腰のかがめ方が一人ずつ違い、浅瀬のにぎわいが伝わります。

登戸は今の千葉市中央区の地名で、「のぼと」と読みます。東京富士美術館は、浅瀬の鳥居を登渡神社のものとしています。江戸から見ると内海を隔てた向こう岸の土地で、ここからは海越しに富士を望むことができました。東京富士美術館は、鳥居の大きさや角度、海と陸の配分まで計算された構図だと評価しています。

描かれた場所の今

登戸は千葉市中央区の町名として残り、登渡神社が鎮座しています。氏子に伝わる「登戸の神楽囃子」は千葉市の地域文化財に、本殿の小壁にはめこまれた彫刻は市の指定文化財になっています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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