冨嶽三十六景 ・ 25
登戸浦
ふがくさんじゅうろっけい のぼとうら
Thirty-six Views of Mount Fuji: Noboto Bay
作品に ついて
画面の左寄りに立つ大きな鳥居が、そのまま富士を囲む額縁になっています。いちばん上の横木(笠木)は右上がりに大きく傾いて描かれ、その下、二本の柱のあいだの奥に白い富士が見えます。左手前にはもう一つ小さな鳥居があり、大小の鳥居が浅瀬の奥行きを感じさせます。
潮の引いた浅瀬では、かがんで貝を探す人、籠を頭の上に持ち上げて運ぶ人、笠をかぶって荷を下げる人などが行き交います。左端では子どもたちがはしゃいで走っています。右手には松の茂る丘と茅葺きの屋根が続き、海辺の村の暮らしぶりが伝わります。人物は小さく描かれていますが、腕の上げ方や腰のかがめ方が一人ずつ違い、浅瀬のにぎわいが伝わります。
登戸は今の千葉市中央区の地名で、「のぼと」と読みます。東京富士美術館は、浅瀬の鳥居を登渡神社のものとしています。江戸から見ると内海を隔てた向こう岸の土地で、ここからは海越しに富士を望むことができました。東京富士美術館は、鳥居の大きさや角度、海と陸の配分まで計算された構図だと評価しています。
描かれた 場所の 今
登戸は千葉市中央区の町名として残り、登渡神社が鎮座しています。氏子に伝わる「登戸の神楽囃子」は千葉市の地域文化財に、本殿の小壁にはめこまれた彫刻は市の指定文化財になっています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202775
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(34枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 登戸浦(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
千葉県をもっと知る
同じ土地の名物や、天然記念物の動物、祭りも訪ねてみませんか。
