冨嶽三十六景 ・ 6
青山円座松
ふがくさんじゅうろっけい あおやまえんざのまつ
Thirty-six Views of Mount Fuji: The Cushion Pine at Aoyama
作品に ついて
円座松は、寺の庭にあった笠松です。一本の松が三間(約5.6メートル)ほども枝を広げていたと伝わり、参詣者は庭を歩いてこの松を眺めました。江戸の名所の一つです。画面下には枝を支える何本もの添え木が並び、石灯籠や小さな鳥居も見えます。
葛飾北斎は松を半円の小山のように描き、富士は霞をはさんで、とがった大きな三角形にしています。丸い松ととがった富士という、正反対の形の組み合わせがこの図の要です。富士は実際よりも大きく描かれているとみられ、手前に広がる松の緑とつり合うように置かれています。松の濃い緑の丸みは、葉の茂りを一つずつ描いた細かな模様で表されています。
点景の人物にも見どころがあります。右下の築山では、松と富士を眺めながら一行が酒を酌み交わしています。坂道では父親が手ぬぐいで子どもを引いて上り、通りがかりの人も景色に見入っています。左下には松葉の陰から、箒を使う掃除の人の足元だけがのぞいています。
描かれた 場所の 今
東京富士美術館の解説によると、円座松は今の渋谷区神宮前にある龍岩寺の庭にあった松です。神宮前は原宿駅や表参道の周辺に広がる地域で、江戸の名所だった松と富士の眺めは、この絵に姿をとどめています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202748
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(34枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 青山円座松(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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