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冨嶽三十六景 ・ 6

青山円座松

ふがくさんじゅうろっけい あおやまえんざのまつ

Thirty-six Views of Mount Fuji: The Cushion Pine at Aoyama

枝を円座のように丸く広げた名木の松が、小山のように画面の右に盛り上がります。その向こうに鋭くとがった富士がそびえ、松の下の築山では人々が富士を眺めて酒宴を開いています。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
青山(東京都)
遠くに見える場所
富士山

作品について

円座松は、寺の庭にあった笠松です。一本の松が三間(約5.6メートル)ほども枝を広げていたと伝わり、参詣者は庭を歩いてこの松を眺めました。江戸の名所の一つです。画面下には枝を支える何本もの添え木が並び、石灯籠や小さな鳥居も見えます。

葛飾北斎は松を半円の小山のように描き、富士は霞をはさんで、とがった大きな三角形にしています。丸い松ととがった富士という、正反対の形の組み合わせがこの図の要です。富士は実際よりも大きく描かれているとみられ、手前に広がる松の緑とつり合うように置かれています。松の濃い緑の丸みは、葉の茂りを一つずつ描いた細かな模様で表されています。

点景の人物にも見どころがあります。右下の築山では、松と富士を眺めながら一行が酒を酌み交わしています。坂道では父親が手ぬぐいで子どもを引いて上り、通りがかりの人も景色に見入っています。左下には松葉の陰から、箒を使う掃除の人の足元だけがのぞいています。

描かれた場所の今

東京富士美術館の解説によると、円座松は今の渋谷区神宮前にある龍岩寺の庭にあった松です。神宮前は原宿駅や表参道の周辺に広がる地域で、江戸の名所だった松と富士の眺めは、この絵に姿をとどめています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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