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冨嶽三十六景 ・ 31

江都駿河町三井見世略図

ふがくさんじゅうろっけい えどするがちょうみついみせりゃくず

Thirty-six Views of Mount Fuji: Mitsui Shop at Surugachō in Edo

大きな商家の屋根の上で働く職人たちと、空に揚がる凧のあいだから、富士が町の屋根越しに顔を出します。下から見上げるような視点で描いた、江戸の大店の日常の一場面です。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
駿河町(東京都)
遠くに見える場所
富士山

作品について

右手の大きな屋根の上で、屋根職人たちが仕事をしています。棟の近くの男が下の仲間へ何かを放り、それを受け取ろうと両手を伸ばす男がいます。軒には梯子が掛けられ、空には凧が二つ揚がっています。地上から見上げたような構図で、屋根の斜面と空の広がりが強調されています。

富士は左右の屋根の谷間、遠くの町並みの向こうに雪の姿を見せます。手前の看板には「現金」「呉服物」などの文字が読め、ここが呉服を商う大店であることがわかります。東京富士美術館によれば、看板の「現金、掛け値無し」は、すべての品に定価をつけて現金で売る商いを示しています。富士の山肌には雪の解けたまだらな模様が見え、手前には緑の木立が広がっています。

駿河町は日本橋の北、今の中央区日本橋室町にあたる町で、越後屋三井呉服店がありました。今の三越の前身です。高い屋根の上の人々の動きと、凧の糸が描く細い線が、広い空の中にのびやかな動きをつくっています。

描かれた場所の今

越後屋の流れをくむ三越日本橋本店は、今も日本橋室町一丁目にあります。昭和10年(1935)に増改築された本館は、平成28年(2016)に国の重要文化財に指定されました。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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