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冨嶽三十六景 ・ 17

甲州三嶌越

ふがくさんじゅうろっけい こうしゅうみしまごえ

Thirty-six Views of Mount Fuji: Mishima Pass in Kai Province

画面の中央を一本の巨木が貫き、旅人たちが手をつないで幹の太さを測っています。その背後に、湧き立つ雲をまとった藍色の富士が大きく裾野を広げる、峠道のひとこまです。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
籠坂峠(山梨県)
遠くに見える場所
富士山

作品について

巨木の幹は画面の上端から下端まで届き、富士の姿を左右に分けています。根元では三人の旅人が手をつなぎ、両腕を広げて幹を抱えようとしています。まわりには腰を下ろして休む人や、荷を背負って歩く人も描かれています。幹を測る人々の歓声が聞こえてきそうな場面です。手前の道ばたには、下ろした荷も置かれています。

富士は藍から緑、墨へと移る色の重なりで表され、頂のまわりには独特の形の雲が漂っています。山の左右にも夏らしい雲がもくもくと湧いています。巨木の縦の線と富士の三角形を重ねた構図は力強く、旅人のしぐさがそこに人間らしいおかしみを添えています。

題の「三島越」は、甲府盆地から富士山麓を通って駿河・相模へ向かう鎌倉往還を指します。鎌倉往還は、各地と鎌倉を結んでいた古道の一つです。山梨県立博物館は、甲斐と駿河の国境にある籠坂峠から富士を望んだ景色と見ています。峠を越えた先に広がる、富士の裾野の開けた眺めが思い起こされます。

描かれた場所の今

籠坂峠は山梨県山中湖村と静岡県小山町の境にあり、今は国道138号が越えています。山梨県の観光サイトは、峠付近から今も富士山がよく見えると紹介しており、籠坂峠から三国山へ歩くハイキングコースも人気です。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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