冨嶽三十六景 ・ 39
東海道品川御殿山ノ不二
ふがくさんじゅうろっけい とうかいどうしながわごてんやまのふじ
Thirty-six Views of Mount Fuji: Fuji Seen from Gotenyama at Shinagawa on the Tōkaidō
作品に ついて
丘の上の桜は、細い枝の先に白い花を雲のようにつけています。その枝と枝のあいだ、海の向こうの遠景に、富士が小さく白い頂を見せます。左手には江戸湾の水面が広がり、海と桜と富士を一度に見渡せる場所だったことがわかります。画面左の海の上には雲が横にたなびき、遠景の奥行きを出しています。
丘の斜面には花見客が集まっています。左下では茣蓙に座った二人が酒を酌み交わし、坂道では子どもを肩車した男、赤子を背負った女、扇を手におどける男たちが行き交います。右奥には茶屋の屋根が並び、行楽地のにぎわいが伝わります。右手前には松が枝を張り、桜の白と松の濃い緑が並んでいます。
御殿山は品川宿の北にあった丘で、江戸時代には桜の名所として知られました。この図は、36図の後に追加されたいわゆる「裏富士」10図の一つです。空や海に使われた藍のぼかし(色を少しずつ薄くしていく摺り方)が、明るい春の空気をつくっています。品川宿は東海道の最初の宿場で、御殿山は江戸の人々でにぎわう花見の行楽地でした。
描かれた 場所の 今
御殿山の名は品川区北品川に残っています。品川区立品川歴史館によれば、幕末には品川台場を築くための土取りで丘が削られ、景色は大きく変わりました。一帯の桜は、品川区の「しながわ百景」にも選ばれています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202781
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(34枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 東海道品川御殿山ノ不二(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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