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冨嶽三十六景 ・ 24

上総ノ海路

ふがくさんじゅうろっけい かずさのかいろ

Thirty-six Views of Mount Fuji: At Sea off Kazusa

帆をいっぱいに張った大きな荷船が画面を占め、富士は水平線の上に小さな白い頂を見せるだけです。船の木組みや綱の細かな描き込みと、遠くの富士との大きさの差が見どころです。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
上総(千葉県)
遠くに見える場所
富士山

作品について

この図の主役は富士ではなく、手前に大きく描かれた2艘の荷船です。風をはらんだ帆、帆柱から張られた何本もの綱、舷側の板の継ぎ目まで、細い線で丁寧に描かれています。甲板には荷が高く積まれ、富士は帆と綱のすき間から、水平線の上にごく小さくのぞいています。反り上がった船首が手前に突き出し、帆の白と船体の淡い赤、海の藍が画面をくっきりと塗り分けています。

船腹に開いた小窓からは、乗客らしい人の顔がのぞいています。東京富士美術館は、この顔の大きさから船の長さを10m近くと見積もりつつ、実際のところは定かでないとしています。小さな顔があるおかげで、船の大きさが実感として伝わってきます。

上総は今の千葉県の中部から南部にあたる国の名です。江戸時代の江戸湾は、物資を運ぶ船の行き来でにぎわっていました。どこから見た景色かについては、浦賀水道のあたりとする見方がありますが、はっきりしません。富士を遠くに小さく置き、人の暮らしを支える船そのものを大きく描いた一枚です。

描かれた場所の今

上総は現在の千葉県中部から南部にあたります。東京湾の入口の浦賀水道には今も航路が設けられ、運輸安全委員会の資料によれば1日におよそ600隻の船が通ります。船の動きは海上保安庁の東京湾海上交通センターが見守っています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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