冨嶽三十六景 ・ 24
上総ノ海路
ふがくさんじゅうろっけい かずさのかいろ
Thirty-six Views of Mount Fuji: At Sea off Kazusa
作品に ついて
この図の主役は富士ではなく、手前に大きく描かれた2艘の荷船です。風をはらんだ帆、帆柱から張られた何本もの綱、舷側の板の継ぎ目まで、細い線で丁寧に描かれています。甲板には荷が高く積まれ、富士は帆と綱のすき間から、水平線の上にごく小さくのぞいています。反り上がった船首が手前に突き出し、帆の白と船体の淡い赤、海の藍が画面をくっきりと塗り分けています。
船腹に開いた小窓からは、乗客らしい人の顔がのぞいています。東京富士美術館は、この顔の大きさから船の長さを10m近くと見積もりつつ、実際のところは定かでないとしています。小さな顔があるおかげで、船の大きさが実感として伝わってきます。
上総は今の千葉県の中部から南部にあたる国の名です。江戸時代の江戸湾は、物資を運ぶ船の行き来でにぎわっていました。どこから見た景色かについては、浦賀水道のあたりとする見方がありますが、はっきりしません。富士を遠くに小さく置き、人の暮らしを支える船そのものを大きく描いた一枚です。
描かれた 場所の 今
上総は現在の千葉県中部から南部にあたります。東京湾の入口の浦賀水道には今も航路が設けられ、運輸安全委員会の資料によれば1日におよそ600隻の船が通ります。船の動きは海上保安庁の東京湾海上交通センターが見守っています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202772
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(34枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 上総ノ海路(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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