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冨嶽三十六景 ・ 21

礫川雪ノ旦

ふがくさんじゅうろっけい こいしかわゆきのあした

Thirty-six Views of Mount Fuji: Morning after a Snowfall at Koishikawa

夜のうちに積もった雪で、小石川の町が白く変わった朝の情景です。高台の茶屋の二階では女性客が雪見を楽しみ、空を舞う三羽の鳥を指さすその先に、雪をかぶった富士が見えます。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
小石川(東京都)
遠くに見える場所
富士山

作品について

冨嶽三十六景の中で、雪景色を描いたのはこの一図だけです。屋根も木々もこんもりと雪をかぶり、空は濃い藍から明るい色へとぼかされています。雪の野の間には藍色の水面が細くのぞき、澄んだ空気の向こうに白い富士がそびえています。左手前に連なる家々の屋根にも、雪が厚く積もっています。

左の茶屋の二階には、雪見に来た女性たちが集まっています。そのうちの一人が空を指さし、その先では三羽の鳥が小さく舞っています。鳥の小ささが、雪の朝の空の高さと広さを感じさせます。女性たちは手すりのそばに集まり、思い思いに雪景色を眺めています。

題の「礫川」は小石川を漢語風にした呼び名で、「旦」は朝のことです。小石川は起伏の多い土地で、眺めのよい茶屋がありました。江戸時代初めに伝通院が置かれ、水戸徳川家の屋敷や町屋も開かれました。山梨県立博物館は、伝通院または北野神社(牛天神)付近の茶屋からの眺めと考えています。沼沢地が広がっていた小石川は、こうして江戸の市街地に組み込まれていきました。

描かれた場所の今

小石川は今の東京都文京区の地名です。春日一丁目の牛天神北野神社について、文京区は、葛飾北斎がこの境内からの眺めを「礫川雪ノ旦」に描いたといわれると紹介しています。社殿の前には、なでると願いがかなうという牛の形の石があります。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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