冨嶽三十六景 ・ 21
礫川雪ノ旦
ふがくさんじゅうろっけい こいしかわゆきのあした
Thirty-six Views of Mount Fuji: Morning after a Snowfall at Koishikawa
作品に ついて
冨嶽三十六景の中で、雪景色を描いたのはこの一図だけです。屋根も木々もこんもりと雪をかぶり、空は濃い藍から明るい色へとぼかされています。雪の野の間には藍色の水面が細くのぞき、澄んだ空気の向こうに白い富士がそびえています。左手前に連なる家々の屋根にも、雪が厚く積もっています。
左の茶屋の二階には、雪見に来た女性たちが集まっています。そのうちの一人が空を指さし、その先では三羽の鳥が小さく舞っています。鳥の小ささが、雪の朝の空の高さと広さを感じさせます。女性たちは手すりのそばに集まり、思い思いに雪景色を眺めています。
題の「礫川」は小石川を漢語風にした呼び名で、「旦」は朝のことです。小石川は起伏の多い土地で、眺めのよい茶屋がありました。江戸時代初めに伝通院が置かれ、水戸徳川家の屋敷や町屋も開かれました。山梨県立博物館は、伝通院または北野神社(牛天神)付近の茶屋からの眺めと考えています。沼沢地が広がっていた小石川は、こうして江戸の市街地に組み込まれていきました。
描かれた 場所の 今
小石川は今の東京都文京区の地名です。春日一丁目の牛天神北野神社について、文京区は、葛飾北斎がこの境内からの眺めを「礫川雪ノ旦」に描いたといわれると紹介しています。社殿の前には、なでると願いがかなうという牛の形の石があります。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202766
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(12枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 礫川雪ノ旦(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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