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冨嶽三十六景 ・ 27

隅田川関屋の里

ふがくさんじゅうろっけい すみだがわせきやのさと

Thirty-six Views of Mount Fuji: Sekiya Village on the Sumida River

朝の光に赤く染まった富士を遠くに見ながら、堤の道を3騎の早馬が駆け抜けます。大きく曲がる道、風をはらむ衣、斜めに伸びる松が、画面に勢いのある動きを生んでいます。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
関屋の里(東京都)、隅田川(東京都)
遠くに見える場所
富士山

作品について

堤の上の道は大きく弧を描き、そこを3人の騎馬が全速力で駆けています。手前の2騎は左右へすれ違うように、奥の1騎は道の先へと走り、どの乗り手も背中の衣が風をはらんでふくらんでいます。馬の脚の運びも一頭ずつ描き分けられ、蹄の音が聞こえてきそうです。乗り手は丸く大きな笠をかぶり、顔は隠れて見えません。

道の内側からは赤い幹の松が斜めに伸び上がり、その先の空に赤い富士が小さく浮かびます。田の広がる低地には霞がかかり、早朝の景色とみられます。右端の建物は、法令などを書いた札を掲げておく高札場です。道沿いの土手は明るい黄緑で塗られ、低い田の青みと描き分けられています。

足立区の資料によれば、関屋の里は鎌倉時代に隅田川のほとりに関所が置かれたことにちなむ呼び名です。足立区立郷土博物館は、騎馬の走る道を江戸時代の初めに築かれた掃部堤とみています。ほかの絵師が穏やかに描いた関屋を、北斎は疾走する馬で力強く描きました。

描かれた場所の今

足立区立郷土博物館によると、関屋の里は今の千住仲町から千住関屋町あたりを指します。騎馬が走る掃部堤は墨堤通りとして道筋を残し、千住仲町の氷川神社の境内には、関屋の里から移された関屋天満宮がまつられています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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