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冨嶽三十六景 ・ 34

隠田の水車

ふがくさんじゅうろっけい おんでんのすいしゃ

Thirty-six Views of Mount Fuji: The Waterwheel at Onden

大きな水車が勢いよく水を落とし、そのまわりで村人が穀物の袋を運び、川で洗い物をしています。にぎやかな前景のずっと向こうに、雪をいただく富士が静かにそびえる一枚です。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
穏田(東京都)
遠くに見える場所
富士山

作品について

画面の左半分を占める水車は、羽根の一枚一枚から水がこぼれ落ち、その水は細かな線を重ねた波となって流れていきます。水の勢いを線の重なりで見せる表現で、画面の中でいちばん動きのある部分です。水車小屋の屋根は茅葺きで、軒から垂れる藁の一本一本まで描かれています。

水車小屋の前では、大きな袋を背負って坂を上る男、袋を下ろしてひと休みする人、桶を抱えた女性、川で籠を洗う女性が働いています。左下の子どもの足もとには紐でつながれた小さな亀がいて、仕事の場面にほほえましさを添えています。右手前には葉を大きく広げた草木が茂り、画面の隅を引き締めています。

隠田(穏田)は今の渋谷区神宮前、原宿のあたりで、当時は田畑の広がる村でした。渋谷区の資料によれば、近くを流れる渋谷川には米をつく水車があり、明治の末ごろまで使われていました。ただし、北斎が描いたのがどの水車かは確かではありません。手前のにぎわいから離れた右奥に、富士が穏やかに描かれています。

描かれた場所の今

渋谷区によると、神宮前を流れていた渋谷川(穏田川)は今ではほとんどが暗渠(地下の水路)となり、その上をキャットストリートと呼ばれる道が通っています。水車の回っていた田園の面影は、地形の谷筋に残るだけになりました。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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