冨嶽三十六景 ・ 34
隠田の 水車
ふがくさんじゅうろっけい おんでんのすいしゃ
Thirty-six Views of Mount Fuji: The Waterwheel at Onden
作品に ついて
画面の左半分を占める水車は、羽根の一枚一枚から水がこぼれ落ち、その水は細かな線を重ねた波となって流れていきます。水の勢いを線の重なりで見せる表現で、画面の中でいちばん動きのある部分です。水車小屋の屋根は茅葺きで、軒から垂れる藁の一本一本まで描かれています。
水車小屋の前では、大きな袋を背負って坂を上る男、袋を下ろしてひと休みする人、桶を抱えた女性、川で籠を洗う女性が働いています。左下の子どもの足もとには紐でつながれた小さな亀がいて、仕事の場面にほほえましさを添えています。右手前には葉を大きく広げた草木が茂り、画面の隅を引き締めています。
隠田(穏田)は今の渋谷区神宮前、原宿のあたりで、当時は田畑の広がる村でした。渋谷区の資料によれば、近くを流れる渋谷川には米をつく水車があり、明治の末ごろまで使われていました。ただし、北斎が描いたのがどの水車かは確かではありません。手前のにぎわいから離れた右奥に、富士が穏やかに描かれています。
描かれた 場所の 今
渋谷区によると、神宮前を流れていた渋谷川(穏田川)は今ではほとんどが暗渠(地下の水路)となり、その上をキャットストリートと呼ばれる道が通っています。水車の回っていた田園の面影は、地形の谷筋に残るだけになりました。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202768
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(12枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 隠田の水車(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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