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冨嶽三十六景 ・ 35

相州江の嶌

ふがくさんじゅうろっけい そうしゅうえのしま

Thirty-six Views of Mount Fuji: Enoshima in Sagami Province

潮が引いて現れた砂の道を、人々が島へ向かって歩いていきます。木立の中に塔がのぞく江の島の右手、海の向こうに富士と帆掛け舟が小さく見える、江戸の人々の行楽の景色です。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
江の島(神奈川県)
遠くに見える場所
富士山

作品について

画面の手前、海の中に一本の砂の道が現れています。潮が引いたときだけ現れるこの道を、笠をかぶった人々が三々五々、島へ向かって歩いています。道の両側には、白い点を打ったような波が寄せています。点を重ねて浅瀬の泡立ちを表した描き方です。砂の道の手前には、潮の引いた浜が平らな色の帯で何重にも描かれています。

島の入口には大きな石灯籠が立ち、そこから坂の参道に沿って家並みが続きます。緑の木立の中には塔がそびえています。富士は画面右、海の向こうに置かれ、沖に浮かぶ帆掛け舟と並んで小さく見えます。家並みは屋根を藍と生成りに塗り分けられ、石垣の上にぎっしりと建ち並んでいます。

江の島は弁財天をまつる島として信仰を集め、江戸からも多くの人が参詣に訪れました。橋のなかった当時、人々は干潮のときに砂州を歩いて島へ渡りました。少し高い位置から見下ろしたこの図には、限られた時間のうちに参詣を急ぐ人々の行き来がとらえられています。

描かれた場所の今

今は片瀬の海岸から歩行者用の江の島弁天橋で島へ渡れます。藤沢市によれば、この橋は昭和24年(1949)に開通し、のちにコンクリート製に架け替えられました。島内の江島神社辺津宮は、建永元年(1206)に源実朝が創建したと伝えられています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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