冨嶽三十六景 ・ 32
御厩川岸より 両国橋夕陽見
ふがくさんじゅうろっけい おんまやがしよりりょうごくばしせきようをみる
Thirty-six Views of Mount Fuji: Sunset across Ryōgoku Bridge from the Bank of the Sumida River at Onmayagashi
作品に ついて
空の上の方は暗く沈み、富士は青黒い影絵のように描かれています。夕日を背にして輪郭だけが残る、日暮れどきの姿です。左には長い両国橋が水平に延び、川面には何艘もの舟が浮かんでいます。川面の舟は遠くへ行くほど小さく描かれ、川幅の広さが感じられます。
手前では、客を乗せた渡し舟が岸を離れたところです。大きな傘を広げた人、荷を抱えて座り込む人、舟べりから手を伸ばして手ぬぐいを川の水に浸す人がいます。舟の下の水は濃い藍で幾重にも波打ち、静かな遠景と対照をなしています。舟の後ろでは船頭が櫓を押し、舟の中には箱や桶などの荷も積まれています。
御厩川岸は隅田川の西岸にあった河岸で、幕府の米蔵から米を運ぶ馬の厩があったことが名の由来です。ここには対岸と結ぶ「御厩の渡し」がありました。東京富士美術館は、富士の位置から、今の厩橋の北側あたりから見た景色だとみています。左下の岸には板張りの船着き場が描かれ、ここが渡し場であることを示しています。
描かれた 場所の 今
渡し場のあったあたりには、関東大震災後の復興事業で昭和4年(1929)に完成した厩橋が架かっています。3連のアーチが連なる橋で、親柱の上には馬をかたどった飾りがあり、橋の名の由来を今に伝えています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-11176-4
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202764
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(12枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 御厩川岸より両国橋夕陽見(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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