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冨嶽三十六景 ・ 43

駿州大野新田

ふがくさんじゅうろっけい すんしゅうおおのしんでん

Thirty-six Views of Mount Fuji: Ōno Shinden in Suruga Province

刈り取った葦を山のように積んだ牛の列が、湿地の道をゆっくりと進みます。飛び立つ白鷺と、東の空がほのかに色づく夜明けの富士が、静かな農村の朝の景色を描き出しています。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
大野新田(静岡県)
遠くに見える場所
富士山

作品について

画面の右下を占めるのは、刈り取った葦を高く積んだ牛たちです。荷の茶色い先端が斜めに逆立ち、牛の脚が同じような間隔で並んで、重い荷を運ぶ歩みが伝わります。牛を引く農夫や、背に荷を負って歩く人々の姿も描かれています。左端では、草の束を背負った人々も歩いています。

牛の列の上を白鷺が飛び、湿地の向こうに富士がそびえます。富士の右側の空はうっすら赤く染まり、東京富士美術館は東の空が染まる早朝の景色とみています。藍のぼかしを重ねた湿地の水辺が、平らに広がる土地を表しています。湿地の葦原は細かな縦の線で描かれ、一面に茂る様子が伝わります。

大野新田は今の静岡県富士市につくられた新田(江戸時代に新しく開かれた田)の村で、東海道からは富士がよく見えました。千葉市美術館は、この図を36図の後に追加された「裏富士」10図の一つとし、ベロ藍(輸入された青い絵具)のぼかしを多く使って清々しい効果を上げていると解説しています。

描かれた場所の今

富士市の東部にはかつて浮島ヶ原と呼ばれる広い湿地が広がっていました。その環境は今、浮島ヶ原自然公園で保全され、ヨシの群落や、サワトラノオなどの貴重な湿地の植物を見ることができます。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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