冨嶽三十六景 ・ 43
駿州大野新田
ふがくさんじゅうろっけい すんしゅうおおのしんでん
Thirty-six Views of Mount Fuji: Ōno Shinden in Suruga Province
作品に ついて
画面の右下を占めるのは、刈り取った葦を高く積んだ牛たちです。荷の茶色い先端が斜めに逆立ち、牛の脚が同じような間隔で並んで、重い荷を運ぶ歩みが伝わります。牛を引く農夫や、背に荷を負って歩く人々の姿も描かれています。左端では、草の束を背負った人々も歩いています。
牛の列の上を白鷺が飛び、湿地の向こうに富士がそびえます。富士の右側の空はうっすら赤く染まり、東京富士美術館は東の空が染まる早朝の景色とみています。藍のぼかしを重ねた湿地の水辺が、平らに広がる土地を表しています。湿地の葦原は細かな縦の線で描かれ、一面に茂る様子が伝わります。
大野新田は今の静岡県富士市につくられた新田(江戸時代に新しく開かれた田)の村で、東海道からは富士がよく見えました。千葉市美術館は、この図を36図の後に追加された「裏富士」10図の一つとし、ベロ藍(輸入された青い絵具)のぼかしを多く使って清々しい効果を上げていると解説しています。
描かれた 場所の 今
富士市の東部にはかつて浮島ヶ原と呼ばれる広い湿地が広がっていました。その環境は今、浮島ヶ原自然公園で保全され、ヨシの群落や、サワトラノオなどの貴重な湿地の植物を見ることができます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202785
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(12枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 駿州大野新田(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
静岡県をもっと知る
同じ土地の名物や、天然記念物の動物、祭りも訪ねてみませんか。






