冨嶽三十六景 ・ 11
武陽佃嶌
ふがくさんじゅうろっけい ぶようつくだじま
Thirty-six Views of Mount Fuji: Tsukudajima in Musashi Province
作品に ついて
手前の大きな舟には荷が山のように積まれ、船頭が棹をさしています。まわりには人を乗せる舟、荷を運ぶ舟、漁をする舟が散らばり、向きもさまざまです。舟が立てる小さな波しぶきのほかは、海面は鏡のように静まっています。手前の舟の船首は白い波を立て、画面の外へ進んでいきます。左右に散らばる小舟が、見る人の目を手前から奥の島へと導きます。
中景には石川島と佃島が浮かび、家々が建ち並んでいます。帆を下ろした舟の帆柱は水平線の彼方まで立ち並び、細い縦の線が規則正しく並ぶことで画面はいっそう静かになります。初摺は藍の濃淡だけで摺った「藍摺」で、東京国立博物館の一枚も藍を基調にしています。寒々とした空が画面の大半を占めています。
佃島は、隅田川の河口にできた砂州をもとにした島です。徳川家康が江戸に入ったとき、摂津国佃村(今の大阪市西淀川区)の漁民を招いて住まわせたと伝わります。冬から春にかけての白魚漁は、江戸の風物詩でした。
描かれた 場所の 今
佃島は今の東京都中央区佃にあたります。佃一丁目の住吉神社は、漁民たちが故郷の摂津国佃村の田蓑神社から分霊を迎え、正保3年(1646)に創建したと区が紹介しています。3年に一度の例大祭も続いています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202754
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(12枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 武陽佃島(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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