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冨嶽三十六景 ・ 11

武陽佃嶌

ふがくさんじゅうろっけい ぶようつくだじま

Thirty-six Views of Mount Fuji: Tsukudajima in Musashi Province

鏡のように静かな海に、帆柱の林立する佃島が浮かび、荷を満載した舟や釣り舟が行き交います。藍の濃淡で海と空を表し、島の向こうの富士まで澄んだ冬の空気が続いていく一図です。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
佃島(東京都)
遠くに見える場所
富士山

作品について

手前の大きな舟には荷が山のように積まれ、船頭が棹をさしています。まわりには人を乗せる舟、荷を運ぶ舟、漁をする舟が散らばり、向きもさまざまです。舟が立てる小さな波しぶきのほかは、海面は鏡のように静まっています。手前の舟の船首は白い波を立て、画面の外へ進んでいきます。左右に散らばる小舟が、見る人の目を手前から奥の島へと導きます。

中景には石川島と佃島が浮かび、家々が建ち並んでいます。帆を下ろした舟の帆柱は水平線の彼方まで立ち並び、細い縦の線が規則正しく並ぶことで画面はいっそう静かになります。初摺は藍の濃淡だけで摺った「藍摺」で、東京国立博物館の一枚も藍を基調にしています。寒々とした空が画面の大半を占めています。

佃島は、隅田川の河口にできた砂州をもとにした島です。徳川家康が江戸に入ったとき、摂津国佃村(今の大阪市西淀川区)の漁民を招いて住まわせたと伝わります。冬から春にかけての白魚漁は、江戸の風物詩でした。

描かれた場所の今

佃島は今の東京都中央区佃にあたります。佃一丁目の住吉神社は、漁民たちが故郷の摂津国佃村の田蓑神社から分霊を迎え、正保3年(1646)に創建したと区が紹介しています。3年に一度の例大祭も続いています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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