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冨嶽三十六景 ・ 30

東海道程ヶ谷

ふがくさんじゅうろっけい とうかいどうほどがや

Thirty-six Views of Mount Fuji: Hodogaya on the Tōkaidō

街道沿いに並ぶ松の幹のあいだから、青い山肌の富士が見える一枚です。松の前では駕籠かきが一息つき、荷を積んだ馬や編笠の旅人が、それぞれの仕草で街道を行き交います。

制作年
天保元〜4年頃(1830〜33年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
冨嶽三十六景(全46図)
描かれた場所
保土ヶ谷宿(神奈川県)
遠くに見える場所
富士山

作品について

画面を縦に区切る松並木が、この図の骨組みです。ひょろりと高い幹が左右にいくつも並び、その間から、青い山肌に白い雪をいただく富士が顔を出します。並木の向こうの低地は帯のように塗り分けられ、富士までの遠さを感じさせます。幹は淡い朱で塗られ、枝先の濃い緑の葉とあざやかな対照をなしています。

松の前の道では、旅のさまざまな場面が一度に描かれています。左では駕籠を下ろした駕籠かきが汗をぬぐい、駕籠の中の客は眠り込んでいます。そのそばには草鞋(わらじ)の紐を結び直す男。中央には荷を積んだ馬とその手綱を引く馬子、右端には深い編笠で顔を隠した人物が歩いています。馬の背には荷が積まれ、その上に旅人が腰を下ろしています。

程ヶ谷は東海道の宿場で、今の横浜市保土ケ谷区にあたります。東京富士美術館は、宿の近くの品濃坂に見事な松並木があったと伝えています。松の枝ぶりの描き分けや、人々の何気ない仕草の捉え方に、北斎の観察の細かさがよく表れています。旅の途中のひとときを集めた一枚です。

描かれた場所の今

程ヶ谷(保土ヶ谷)宿の先、今の横浜市戸塚区品濃町には、旧東海道の両側に塚が残る品濃一里塚があります。近くの品濃坂は、江戸へ向かう旅人にとって最後の急な登り坂でした。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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