冨嶽三十六景 ・ 36
東海道江尻田子の 浦略図
ふがくさんじゅうろっけい とうかいどうえじりたごのうらりゃくず
Thirty-six Views of Mount Fuji: Tago Bay near Ejiri on the Tōkaidō
作品に ついて
画面の上半分を占める富士は、頂から藍色の山肌が裾へ長く広がり、残る雪がまだらに描かれています。そのゆったりとした稜線は、画面の左端まで伸びています。東京富士美術館は、富士の手前に連なる山を愛鷹山としています。裾野の手前には、平たい霞の帯が横に流れています。
下半分では、舟が荒波を切って進み、船頭たちは身を乗り出して櫂や棹を操っています。波頭は爪のように割れ、細い線で白いしぶきが描かれています。そのすぐ奥の浜辺では、小さな人々が塩田で働き、積み上げた藁の山や小屋が点々と並びます。舟の上では、何人もの漕ぎ手が身をかがめて櫂を握っています。上の富士と下の荒波を、中景の浜と塩田が静かにつないでいます。
田子の浦は富士の南、今の静岡県富士市の海岸です。『百人一首』にも採られた山部赤人の歌で知られる古くからの名所で、海と富士がもっとも近くに見える土地の一つです。題の「略図」は、簡略に描いた図という意味です。
描かれた 場所の 今
田子の浦の海岸には現在、田子の浦港が開かれています。港の浚渫土を使って整備された「ふじのくに田子の浦みなと公園」には、富士山の100分の1の高さの展望施設や山部赤人の歌碑があり、海抜0mから富士山頂まで見通せます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
- 江戸東京博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・墨田区 作品番号 92202770
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館 冨嶽三十六景(34枚)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 山梨県立博物館「博物館資料のなかの『富士山』 葛飾北斎 冨嶽三十六景」(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 江戸東京博物館デジタルアーカイブス 冨嶽三十六景 東海道江尻田子の浦略図(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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