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六十余州名所図会 駿河 三保のまつ原
画像:Art Institute of Chicago(作品ページ(新しいタブで開きます))(当サイトで縮小して掲載) CC0(新しいタブで開きます) 拡大して見る

六十余州名所図会 ・ 12

駿河 三保のまつ原

ろくじゅうよしゅうめいしょずえ するが みほのまつばら

Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Suruga Province: The Pine Grove at Miho

駿河国の三保の松原を、大きな富士とともに描いた図です。弓なりに延びる松の岬と白い砂浜、帆船の浮かぶ駿河湾、その奥に雲をまとった富士がそびえています。揃物の中でも富士が大きく描かれた一枚です。

制作年
嘉永6年(1853年)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
六十余州名所図会(全69図)
描かれた場所
三保の松原(静岡県)
遠くに見える場所
富士山

作品について

画面の右下から、松の生い茂る三保の砂州が左へ向かって弓のように延び、白い波打ち際が湾の内側を縁取っています。湾には白い帆の船が点々と浮かび、左手前にも3艘が寄り添っています。中景には黒々とした山並みが横に連なっています。

山並みの上には、雲の帯を腰にまとった富士が大きくそびえます。山の色は灰色から裾の茶へとぼかされ、空には黄色い雲がたなびきます。手前の松の緑、湾の青、山並みの黒、富士の淡い色が帯のように重なる構図です。

三保の松原は、天女が松の枝に羽衣を掛けたという羽衣伝説の地で、富士を望む海辺として古くから和歌や絵に描かれてきました。東海道の江尻宿や興津宿からも近く、旅人が足を延ばした名所でした。富士と松原を一つの画面に収めるのは、この地を描くときの定番の構図でした。

国立国会図書館の刷りは、富士がひとまわり小さく、山並みの色や形も違う版です。刷りを重ねるうちに遠景の版木や色の指定が変えられたものと考えられます。東京国立博物館の刷りは本図と同じ構図です。

描かれた場所の今

三保の松原は大正11年(1922年)に国の名勝となり、2013年には富士山の世界文化遺産の構成資産に登録されました。今も約3万本のクロマツが砂州に続き、「羽衣の松」も残ります。松枯れや海岸の浸食から松原を守る取り組みが続いています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

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出典・参考

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