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東海道五拾三次之内 大磯 虎ヶ雨
画像:Art Institute of Chicago(作品ページ(新しいタブで開きます))(当サイトで縮小して掲載) CC0(新しいタブで開きます) 拡大して見る

東海道五拾三次之内 ・ 9

大磯 虎ヶ雨

とうかいどうごじゅうさんつぎのうち おおいそ とらがあめ

The Fifty-three Stations of the Tokaido: Tora's Rain at Oiso

細い斜線で表した雨が降りしきるなか、蓑や笠をつけた旅人が大磯宿へ入っていく図です。題の「虎ヶ雨」は、曽我物語の虎御前が恋人の曽我十郎を偲んで流した涙にちなむ雨の名です。

制作年
天保4〜5年頃(1833〜34年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
東海道五拾三次之内(全55図)
描かれた場所
大磯宿(神奈川県)

作品について

画面全体に細い線が斜めに引かれ、強い雨が降っていることを表しています。旅人は蓑(わらで編んだ雨具)をかぶり、馬に乗った人もうつむき加減に進みます。空は灰色にぼかされ、遠くの海は濃い藍色に沈んでいます。

「虎ヶ雨」は陰暦5月28日ごろに降る雨を指す言葉です。曽我十郎がこの日に討たれ、十郎の恋人だった虎御前が流した涙が雨になったと語り継がれてきました。広重は宿場の名所にまつわる物語を、天候の描写で表しています。

構図は左右で性格が分かれます。左には波の静かな海と浜辺の松が広がり、右には宿場の家並みと曲がりくねった松の木、山が重なります。右に見える山は高麗山で、平塚の図にも描かれた山を反対側から見ていることになります。

宿場の入口に立つ杭や家並みの奥行き、ぬかるんだ道の陰影まで、雨の日の暗さの中でていねいに描き分けられています。濡れた道に映る影のような表現が、降り続く雨の重さを感じさせます。左の浜辺には、雨の中に積まれた稲わらのようなものも見えます。

描かれた場所の今

大磯町の旧東海道には、江戸時代初めに植えられた松並木が残り、町が手入れと植え継ぎを進めています。街道沿いの延台寺には虎御前ゆかりの「虎御石」が伝わり、化粧坂には虎女が使ったという化粧井戸があります。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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