六十余州名所図会 ・ 13
甲斐 さるは し
ろくじゅうよしゅうめいしょずえ かい さるはし
Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Kai Province: Monkey Bridge
作品に ついて
画面の下では、青い川が白い渦を巻きながら手前へ流れています。両側には黄色と緑の岩壁がほぼ垂直にそびえ、右の崖の下には洞穴が口を開けています。崖の上、画面の上の方に橋が架かり、欄干の間に人の姿が小さく見えます。
橋の周りには赤く色づいた木々が枝を張り、崖の緑と鮮やかに対比しています。左の崖の切れ目からは、夕暮れの空と灰色の山、木々に囲まれた村が見えます。谷底に視点を置いて橋を高く見上げる構図が、谷の深さを強く印象づけます。
猿橋は桂川の峡谷に架かる橋で、橋脚を立てずに両岸から木を何段も突き出して支える、刎橋という珍しい造りで知られます。甲州街道の名所として多くの旅人が渡り、日本三奇橋の一つに数えられました。
広重は天保12年(1841年)に甲州へ旅し、猿橋を写生しています。月夜の猿橋を描いた「甲陽猿橋之図」もよく知られ、本図では秋の景色を谷底から見上げる別の視点を選んでいます。国立国会図書館と東京国立博物館の刷りも同じ構図です。
描かれた 場所の 今
猿橋は国の名勝に指定され、山梨県大月市に今も架かっています。今の橋は1984年に江戸時代の姿を参考に架け替えられたもので、長さは約31メートルです。刎木を重ねた独特の造りを、橋の下の遊歩道から見上げることができます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-206
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1965.960
出典・参考
- Art Institute of Chicago: Kai Province: Monkey Bridge (Kai, Saruhashi)(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 六十余州名所図会 甲斐 さるはし(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 六十余州名所図会 甲斐 さるはし(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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