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六十余州名所図会 信濃 更科田毎月 鏡台山
画像:Art Institute of Chicago(作品ページ(新しいタブで開きます))(当サイトで縮小して掲載) CC0(新しいタブで開きます) 拡大して見る

六十余州名所図会 ・ 25

信濃 更科田毎月 鏡台山

ろくじゅうよしゅうめいしょずえ しなの さらしなたごとのつき きょうだいさん

Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Shinano Province: The Moon Reflected in the Sarashina Rice Fields near Mount Kyodai

信濃国の更科で、山の斜面の小さな田一枚一枚に月が映る「田毎の月」を描いた図です。満月の下に鏡台山がそびえ、千曲川の流れる谷を見下ろす棚田が画面の右下を埋めています。

制作年
嘉永6年(1853年)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
六十余州名所図会(全69図)
描かれた場所
姨捨の棚田(田毎の月)(長野県)、鏡台山(長野県)

作品について

画面の右下から中ほどにかけて、緑の斜面に細長い棚田が段々に重なり、水を張った田のひとつひとつに白い月影が浮かんでいます。斜面の上には木立に囲まれた家々と、岩の突き出た小山があります。左下の谷には川が流れ、川沿いに田や村が広がります。

左上には灰色の大きな山が雲を割ってそびえ、藍色の空に満月が白く抜かれています。山の中腹にたなびく茜色の雲と田の水面の青が呼応し、月夜の澄んだ空気を伝えます。手前の斜面を大きく傾けて置き、谷の深さを見せる構図です。

更科の姨捨山は『古今和歌集』以来の月の歌枕で、芭蕉も『更科紀行』の旅で月見に訪れました。小さな田に月が一つずつ映る「田毎の月」は、江戸時代に広く知られた名所の趣向でした。実際に一度に見える景色というより、心で味わう風景として語り継がれたともいわれます。

題の鏡台山は、姨捨から見て千曲川の向こうにある山で、月がこの山から昇ることから名付けられたとされます。シカゴ美術館は3枚を所蔵しており、好まれた図だったことがうかがえます。

描かれた場所の今

姨捨の棚田は長野県千曲市にあり、1999年に「姨捨(田毎の月)」として棚田では初めて国の名勝に指定され、2010年には重要文化的景観にも選ばれました。今も保存会などの手で米作りが続き、水を張った季節の夜には田ごとに月が映ります。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

出典・参考

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