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六十余州名所図会 飛騨 籠わたし
画像:Art Institute of Chicago(作品ページ(新しいタブで開きます))(当サイトで縮小して掲載) CC0(新しいタブで開きます) 拡大して見る

六十余州名所図会 ・ 24

飛騨 籠わたし

ろくじゅうよしゅうめいしょずえ ひだ かごわたし

Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Hida Province: Basket Ferry

飛騨国の深い谷で、綱に吊るした籠に乗って川を渡る「籠渡し」を描いた図です。切り立った崖の上の両岸に足場が組まれ、宙に浮かぶ籠と、その下を流れる藍色の急流が対比されています。

制作年
嘉永6年(1853年)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
六十余州名所図会(全69図)
描かれた場所
飛騨(岐阜県)

作品について

画面の中ほどで、谷の両岸から張られた綱に二つの籠が吊るされ、人を乗せて宙を渡っています。左の崖の上には杭と綱を操る人々とわら屋根の家、右上の岸にも櫓のような足場と人影が見えます。崖の下では、川が白い波を立てて手前へ流れ出ています。

両側から迫る淡い緑と灰色の岩壁が画面を縦に深く切り込み、谷の奥には紅色に染まる空と遠い山がのぞきます。下の濃い藍の川と上の明るい空の間に細い綱を渡すことで、高さと危うさが伝わります。

籠渡しは、橋を架けにくい山深い谷で、両岸に渡した綱に籠を吊るして人や荷を運んだ仕組みで、飛騨や越中の山あいで使われました。題にはどの川かが記されておらず、山国飛騨らしい風物として選ばれたと考えられます。籠に乗る人の不安と、綱を引く人の力仕事が、小さな人物の姿から伝わってきます。

名所の寺社や海辺の多いこの揃物の中で、暮らしのための交通の仕組みそのものを主題にした珍しい図です。国立国会図書館にも同じ構図の刷りがあり、シカゴ美術館は2枚を所蔵しています。

描かれた場所の今

飛騨は今の岐阜県北部にあたり、宮川や庄川、飛騨川などが深い谷を刻む山国です。籠渡しは、つり橋や道路が整うにつれて姿を消しました。庄川沿いの白川郷などの山里には、合掌造りの集落とともに、険しい谷と共に生きた暮らしの記憶が残っています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

出典・参考

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