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名所江戸百景 猿わか町よるの景
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名所江戸百景 ・ 90

猿わか町よるの景

めいしょえどひゃっけい さるわかまちよるのけい

One Hundred Famous Views of Edo: Night View of Saruwaka-machi

芝居小屋が並ぶ浅草の猿若町を、月夜の通りから描いた図です。左右に芝居茶屋や小屋の建物が奥へ連なり、通りを行き交う人々の影が、満月の明るい光で地面に長く落ちています。

制作年
安政3年(1856)9月
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
名所江戸百景(全119図)
描かれた場所
猿若町(東京都)

作品について

画面の上に大きな満月が浮かび、その下に通りがまっすぐ奥へ延びています。両側には芝居茶屋が並び、右手の芝居小屋の屋根には櫓が上がっています。通りには提灯を持った人、話しながら歩く人、犬などが描かれ、どの人にも影が付いています。

藍の夜空と灰色の地面を背景に、建物の線を奥の一点へ集める遠近法を使っています。人物に影を付けるのは浮世絵では珍しく、西洋の画法を取り入れた工夫と考えられます。

猿若町は、天保の改革で芝居小屋が町の中心から移された先で、江戸三座と呼ばれた官許の芝居小屋が集まっていました。昼の芝居が終わったあとも、茶屋や人通りでにぎわっていた様子が伝わります。

影を描いた夜景として、揃物の中でも特に評価の高い図です。秋の部に入り、澄んだ月が季節を表しています。芝居そのものではなく、芝居町の夜の通りを描いたところに、町の空気を伝えようとする広重の関心がうかがえます。

描かれた場所の今

猿若町は今の台東区浅草六丁目のあたりで、住居表示の変更で町名は消えましたが、中村座や市村座、守田座の跡に説明板が立っています。一帯は住宅や小さな工場の並ぶ町で、浅草寺の北東、言問通りの北側にあたります。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

出典・参考

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