六十余州名所図会 ・ 33
能登 滝之浦
ろくじゅうよしゅうめいしょずえ のと たきのうら
Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Noto Province: Bay of Waterfalls
作品に ついて
画面の左寄りに、黄土色の大きな岩が海へ突き出し、その下には洞門が口を開けて海水が入り込んでいます。岩の上は緑に覆われ、松が並んで立っています。右の斜面には桜が点々と咲き、崖の端から一筋の滝が海へ落ち、その下には小さな鳥居が見えます。岩の左には松の生えた小さな岬もあり、洞門の奥行きを引き立てています。
空と海は藍から水色へとぼかされ、岩の黄土色と斜面の緑、桜の淡い桃色が明るく映えます。手前の暗い岩の影が洞窟の深さを感じさせ、画面全体に春の海辺の光が満ちています。
滝之浦は、今の志賀町の能登金剛にある巌門のあたりの古い地名とされます。巌門は波の浸食でできた岩の洞門で、その近くに落ちる不動滝が、本図では大きく描かれていると考えられます。
外海に面した能登半島の西岸は、岩と洞窟の多い荒々しい海岸です。広重はその奇景に桜と滝を添えて、春の名所として仕立てています。国立国会図書館にも同じ構図の刷りがあります。
描かれた 場所の 今
巌門は石川県羽咋郡志賀町にあり、能登半島国定公園の能登金剛を代表する景勝地です。岬の岩に幅約6m、高さ約15mの洞門が開き、遊歩道でくぐり抜けられます。近くには鷹の巣岩や不動滝もあり、海から断崖を眺める遊覧船も運航されてきました。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-226
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1965.977
出典・参考
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