東海道五拾三次之内 ・ 10
小田原 酒匂川
とうかいどうごじゅうさんつぎのうち おだわら さかわがわ
The Fifty-three Stations of the Tokaido: Sakawa River near Odawara
作品に ついて
手前の酒匂川では、裸の人足たちが輦台(客や駕籠を載せて担ぐ台)を担ぎ、旅人を肩車して川を渡っています。酒匂川には橋がなく、旅人は川越人足の手を借りて徒歩で渡りました。水かさが胸のあたりまで増えると川留めとなり、旅人は宿で水が引くのを待ちました。
対岸の河原には渡り終えた人や順番を待つ人が集まり、奥には芦原が続きます。中景にはこまかく描かれた城と町並みが見え、これが小田原城とその城下です。
背景の山並みは、藍、桃色、緑などの色面で大胆に塗り分けられ、写実というより模様のように見えます。小さな人々の動きと、平面的で鮮やかな山の形が対照をなし、箱根越えを前にした宿場の風景をつくっています。
小田原は城下町を兼ねた大きな宿場で、ここを出ると東海道は箱根の山道に入ります。本図の奥にそびえる山々は、その先に待つ峠越えを思わせます。川の流れは手前ほど濃い青で、対岸に向かって淡くなり、川幅の広さを感じさせます。河原では渡りを待つ人々が輪になって休み、輦台が地面に置かれています。
描かれた 場所の 今
酒匂川には今は橋が架かり、徒歩で渡った時代の面影はありません。小田原城の天守閣は1960年に鉄筋コンクリート造で復興され、2016年に耐震改修を終えています。宿場の跡には江戸口見附跡や本陣跡の碑が残ります。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-13
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1925.3510
出典・参考
- Art Institute of Chicago: Odawara: The Sakawa River (Odawara, Sakawagawa)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- ColBase(東京国立博物館): A-12499-13(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 東京富士美術館 収蔵品: 東海道五拾三次之内 小田原 酒匂川(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 東海道五拾三次 小田原・酒匂川(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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