名所江戸百景 ・ 72
は ねたの わたし弁天の 社
めいしょえどひゃっけい はねだのわたしべんてんのやしろ
One Hundred Famous Views of Edo: Haneda Ferry and Benten Shrine
作品に ついて
画面の上を船頭の両腕が横切り、櫓を握っています。左には毛深い脚がのぞき、櫓につながる縄が下へ垂れています。その間からは河口の景色が見え、左には松の茂る弁天社、中ほどに帆掛け船、奥には灯籠と遠くの帆船が浮かび、海が広がります。岸には小舟が並び、葦の茂る中洲も見えます。
船頭の体で画面を大きく切り取り、その中に遠くの景色をのぞかせる構図です。淡い肌色と、川から海へ深まる青の対比が鮮やかで、舟に乗る人の視点を感じさせます。
羽田の弁天社は多摩川の河口にあり、海の安全を祈る人々が参詣しました。羽田の渡しは川崎の大師河原と羽田を結び、川崎大師への参詣にも使われたとされます。河口の景色は江戸の南の玄関口でもあり、海へ出る舟が行き交う場所でした。
夏の部の1図で、改印は安政5年8月で、初代広重が亡くなる直前の図です。人の体を前景に大きく描く手法は、揃物の中でも際立って大胆なものです。
描かれた 場所の 今
羽田の弁天社は、羽田空港の拡張などで元の場所を離れたとされ、今は大田区羽田6丁目に玉川弁財天として祀られています。多摩川の河口の辺りは空港の敷地になり、渡し舟の景色は残っていません。近くの天空橋駅から歩いて行けます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-391
- 国立国会図書館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・千代田区 作品番号 寄別1-8-2-1イ
- 国立国会図書館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・千代田区 作品番号 寄別1-8-2-1
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1939.1481
出典・参考
- Art Institute of Chicago: Haneda Ferry and Benten Shrine (Haneda no watashi Benten no yashiro), from the series "One Hundred Famous Views of Edo (Meisho Edo hyakkei)"(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 名所江戸百景 はねたのわたし弁天の社(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- Wikipedia: One Hundred Famous Views of Edo(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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