六十余州名所図会 ・ 23
美濃 養老ノ滝
ろくじゅうよしゅうめいしょずえ みの ようろうのたき
Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Mino Province: Yoro Waterfall
作品に ついて
画面の中央やや右を、太い滝が上から下まで貫いています。左には松を載せた険しい岩壁がそびえ、崖の縁には色づいた木々がのぞきます。右の岩肌にも松がしがみつくように生え、滝壺は画面の外に隠れています。
滝は縁を濃い藍、中ほどを明るい青にぼかして摺られ、水の厚みと勢いを感じさせます。灰色と茶色の岩に、空の藍と淡い茜色がわずかにのぞくだけで、色数を抑えた画面が水の青を際立たせています。岩肌に点々と置かれた赤茶色は、色づき始めた木々を思わせ、季節が秋であることをうかがわせます。
養老の滝は、親孝行の息子が汲んだ水が酒に変わったという養老伝説で知られ、元正天皇がこの地に行幸して年号を養老と改めたと伝わります。江戸時代にも美濃を代表する名所として親しまれました。
葛飾北斎も「諸国瀧廻り」で同じ滝を描いていますが、広重は滝壺も人も入れず、縦に長い水の帯だけで高さを見せています。国立国会図書館の刷りは同じ構図で、岩を緑、木々を赤で鮮やかに摺り分けています。
描かれた 場所の 今
養老の滝は岐阜県養老町の養老公園の奥にあり、落差約32m、幅約4mの滝で、日本の滝百選に選ばれています。近くには孝子伝説ゆかりの菊水泉が湧き、滝とともに名水百選にも選ばれています。秋には周りの山が紅葉に彩られます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-216
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1965.968
出典・参考
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