六十余州名所図会 ・ 22
近江 琵琶湖 石山寺
ろくじゅうよしゅうめいしょずえ おうみ びわこ いしやまでら
Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Omi Province: Lake Biwa and Ishiyama Temple
作品に ついて
画面の左には木々の茂る崖がそびえ、そのふもとの岸辺に瓦屋根の家並みが並んでいます。岸には舟が何艘もつながれ、川面にも小舟や帆船が浮かびます。中ほどでは川に長い橋が架かり、橋の途中には木の茂る小さな島があります。
青い空には満月が浮かび、そのそばを雁の群れが斜めに飛んでいきます。川の先は湖へと開け、右奥には三角形の山がそびえます。全体を青と灰色の静かな色でまとめ、月明かりの夜を表しています。雁と月の取り合わせは、秋の夜を表す決まった画題でもあります。
石山寺は瀬田川のほとりの古い寺で、紫式部がここで『源氏物語』を書き始めたという言い伝えがあります。「石山秋月」は近江八景の一つで、月見の名所として知られました。橋は東海道が通る瀬田の唐橋、右奥の山は近江富士と呼ばれる三上山と考えられます。
題に琵琶湖と石山寺を掲げながら、寺の建物ははっきり描かず、月と雁、唐橋で近江八景の情趣をまとめています。国立国会図書館と東京国立博物館の刷りも同じ構図です。
描かれた 場所の 今
石山寺は滋賀県大津市にあり、本堂と、建久5年(1194年)建立の多宝塔はともに国宝です。本堂には紫式部ゆかりの「源氏の間」があり、秋には月見の催しが開かれます。瀬田の唐橋は1979年に今の橋に架け替えられました。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-215
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1965.967
出典・参考
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