六十余州名所図会 ・ 14
伊豆 修禅寺 湯治場
ろくじゅうよしゅうめいしょずえ いず しゅぜんじ とうじば
Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Izu Province: Hot Springs of the Shuzen Temple
作品に ついて
画面の下では、川が岩棚から幾筋もの滝となって落ち、白い飛沫を上げています。その上流には木の橋が架かり、さらに奥の川の中ほどには、石燈籠の立つ岩場と小さな滝が見えます。両岸には二階建ての宿が軒を連ね、右手前には大きな松が枝を広げています。
宿の黄色い屋根と川の青、山の緑がすっきりと調和し、上端の空は濃い藍でぼかされています。川をさかのぼるように視線を奥へ導く構図で、谷あいに温泉町が細長く延びる様子がよく分かります。
修禅寺は弘法大師が開いたと伝わる寺で、温泉町の名もこの寺に由来します。川の中の湯は、弘法大師が独鈷で岩を打って湯を湧かせたという「独鈷の湯」と考えられます。鎌倉時代には源頼家がこの地に幽閉されて没し、江戸時代には湯治の地として知られていました。
揃物の伊豆国には、海辺の名所ではなく山あいの湯治場が選ばれています。川の流れと宿の並びを細かく描き込み、湯治客で賑わう温泉町の暮らしぶりを伝えています。国立国会図書館と東京国立博物館の刷りも同じ構図です。
描かれた 場所の 今
修善寺温泉は静岡県伊豆市にあり、桂川沿いに旅館が並ぶ温泉街です。川の中の独鈷の湯は温泉街の象徴として残り、近くには修禅寺や竹林の小径があります。寺の名は「修禅寺」、地名と温泉の名は今は「修善寺」と書きます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-207
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1965.961
出典・参考
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