六十余州名所図会 ・ 4
和泉 高師のは ま
ろくじゅうよしゅうめいしょずえ いずみ たかしのはま
Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Izumi Province: Takashi Beach
作品に ついて
手前は松がまばらに生えた緑の斜面で、左下には社の建物と鳥居、小さな堂が見え、細い道を人々が歩いています。その先に、波打ち際が白くうねる砂浜が弓のように延び、浜辺には茶屋らしい屋根が並びます。
画面の中央は、手前から沖へ向かって濃さを変える藍の海です。帆を張った船が点々と浮かび、手前には帆を下ろした船も停まっています。水平線の上は黄色から淡い茜色へと染まり、遠くに対岸の山並みが低く連なっています。
高師浜は、百人一首の「音に聞く高師の浜のあだ波はかけじや袖のぬれもこそすれ」(祐子内親王家紀伊)で知られる歌枕です。白い砂と青い松の続く海岸として、古くから和泉を代表する名所とされてきました。
広重は人の姿を小さく抑え、海の広さと浜の曲線を主役にしています。海の青を上から下へぼかしていく摺りの美しさも見どころです。
描かれた 場所の 今
高師浜は今の大阪府高石市にあたります。1960年代からの埋め立てで堺泉北臨海工業地帯が造られ、描かれたような砂浜はなくなりました。地名は南海電鉄の高師浜線と高師浜駅に残り、北隣の浜寺公園には昔の海岸の名残の松林が広がっています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-197
海外の所蔵館
出典・参考
- ColBase(東京国立博物館): 六十余州名所図会 和泉 高師のはま(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 六十余州名所図会 和泉 高師のはま(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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