名画のふるさと名画と画家を地域から探す

六十余州名所図会 ・ 4

和泉 高師のはま

ろくじゅうよしゅうめいしょずえ いずみ たかしのはま

Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Izumi Province: Takashi Beach

和泉国の高師浜を、松の生えた高台から見下ろした図です。弓なりの白い砂浜と深い藍の海、沖を行く帆船、夕焼けに染まる対岸の山並みが、縦長の画面に広々と収められています。

制作年
嘉永6年(1853年)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
六十余州名所図会(全69図)
描かれた場所
高師浜(大阪府)

作品について

手前は松がまばらに生えた緑の斜面で、左下には社の建物と鳥居、小さな堂が見え、細い道を人々が歩いています。その先に、波打ち際が白くうねる砂浜が弓のように延び、浜辺には茶屋らしい屋根が並びます。

画面の中央は、手前から沖へ向かって濃さを変える藍の海です。帆を張った船が点々と浮かび、手前には帆を下ろした船も停まっています。水平線の上は黄色から淡い茜色へと染まり、遠くに対岸の山並みが低く連なっています。

高師浜は、百人一首の「音に聞く高師の浜のあだ波はかけじや袖のぬれもこそすれ」(祐子内親王家紀伊)で知られる歌枕です。白い砂と青い松の続く海岸として、古くから和泉を代表する名所とされてきました。

広重は人の姿を小さく抑え、海の広さと浜の曲線を主役にしています。海の青を上から下へぼかしていく摺りの美しさも見どころです。

描かれた場所の今

高師浜は今の大阪府高石市にあたります。1960年代からの埋め立てで堺泉北臨海工業地帯が造られ、描かれたような砂浜はなくなりました。地名は南海電鉄の高師浜線と高師浜駅に残り、北隣の浜寺公園には昔の海岸の名残の松林が広がっています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

海外の所蔵館

出典・参考

姉妹サイト

姉妹サイトで、同じ土地の別の魅力も訪ねてみませんか。