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六十余州名所図会 備後 阿武門 観音堂
画像:Art Institute of Chicago(作品ページ(新しいタブで開きます))(当サイトで縮小して掲載) CC0(新しいタブで開きます) 拡大して見る

六十余州名所図会 ・ 49

備後 阿武門 観音堂

ろくじゅうよしゅうめいしょずえ びんご あぶと かんのんどう

Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Bingo Province: Kannon Temple at Abuto

備後国(広島県東部)の阿伏兎岬で、断崖の上に建つ観音堂を海から望んだ図です。岩の頂に張り出した堂の下には大きな洞穴が口を開け、手前の海には赤い岩が牙のように突き出ています。

制作年
嘉永6年(1853年)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
六十余州名所図会(全69図)
描かれた場所
阿伏兎観音(磐台寺観音堂)(広島県)

作品について

画面の中央に灰色の大きな岩山がそびえ、その頂に観音堂が張り出すように建っています。岩の下には大きな洞穴が口を開け、手前の海からは赤茶色の尖った岩が何本も突き出ています。左の海には小舟が二艘浮かび、右の奥には寺の屋根がのぞきます。

空と海を淡い青で静かにまとめ、水平線の遠い山並みを濃い藍のぼかしで表しています。岩山の量感を灰色の濃淡で描き、赤茶の岩と堂の朱を差し色にした、澄んだ海辺の空気が伝わる図です。堂の朱の欄干が、灰色の岩の中で小さく鮮やかに目を引きます。

阿伏兎観音は磐台寺の観音堂で、沼隈半島の南端の岬に建っています。航海の安全を祈る堂として瀬戸内を行く船乗りに信仰され、江戸時代には福山藩主の水野勝種が石垣や回廊を整えたと伝えられます。

揃物では備中の次の図です。東京国立博物館や国立国会図書館の刷りは空に満月を刷った版で、夜の景色になっています。メトロポリタン美術館にも刷りがあります。

描かれた場所の今

磐台寺観音堂は元亀元年(1570年)ごろに毛利輝元が建てたと伝えられ、国の重要文化財に指定されています。断崖に建つ朱塗りの堂へは回廊を上って参拝でき、今は子授けや安産を祈る寺としても広く知られています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

出典・参考

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