秋田八郎潟
あきたはちろうがた
Hachirōgata Lagoon, Akita
作品に ついて
縦長の画面の手前に、太い木の幹がそびえ、枝が画面の上を覆っています。右には板張りの社殿らしい建物が建ち、地面には葉の茂った草が広がります。木の左側の奥には、青く沈んだ湖面と、遠くの低い山並みが見え、空には星がいくつか光っています。全体を深い青と緑でまとめ、夜の静けさを表しています。
木の幹や建物の板壁には、葉の影がまだらに落ちています。明るい月の光が差していることを、光そのものではなく影で感じさせる表し方です。左下の余白には「秋田八郎潟」の題と「昭和二年作」の年記が摺られ、右下に巴水の署名と印があります。
巴水は版元の渡辺庄三郎と組み、旅先で写生した風景を木版画にしました。「旅みやげ」はその代表的なシリーズで、第三集には秋田の田沢湖や男鹿半島、土崎なども収められています。国立国会図書館は、この作品を含む『川瀬巴水版画集』を所蔵し、インターネットで公開しています。
描かれた八郎潟は、当時は日本で2番目に大きな湖でした。昭和の干拓で大部分が陸地となったため、この絵は干拓前の湖畔の姿を伝える作品でもあります。
描かれた 場所の 今
八郎潟は秋田県の男鹿半島の付け根にあった湖です。1957年から約20年かけて干拓され、大部分は大潟村の田畑になりました。今は残った水域が八郎潟調整池などとして広がり、周りの土手からは干拓地の広い平野と男鹿の山々を見渡せます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
出典・参考
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