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名所江戸百景 月の岬
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名所江戸百景 ・ 82

月の岬

めいしょえどひゃっけい つきのみさき

One Hundred Famous Views of Edo: Moon-Viewing Point

品川の海に面した座敷から、月の昇る江戸湾を望む図です。宴のあとの座敷には皿や燭台が残され、障子には遊女らしい人影が映り、沖には停泊する船と飛んでいく雁の列が見えます。

制作年
安政4年(1857)8月
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
名所江戸百景(全119図)
描かれた場所
高輪(東京都)

作品について

手前は畳敷きの広い座敷で、縁側の向こうに江戸湾が開けています。畳の上には皿や盃、燭台が散らばり、左の障子には女性の影が映っています。右端には着物の袖がのぞき、外の空には満月と雁の列、海には帆を下ろした船が並びます。

緑の畳と藍の海、白い月の対比が美しく、建物の柱と縁で景色を額縁のように切り取っています。人の姿を影と袖だけで示し、見る人に宴の様子を想像させる構図です。

月の岬は、品川の宿の北にあたる高台で、海越しに月を眺める名所でした。品川は東海道の最初の宿場で、海に面した茶屋や遊女屋が並び、月見の宴が開かれました。宿場の座敷では、月見を口実にした宴がしばしば開かれていたと考えられます。

秋の月を描いた図の一つで、人の姿を見せずに宴の雰囲気を伝える工夫が見どころです。座敷の床や柱の線を奥へ収束させる遠近法には、西洋の画法の影響があると考えられます。メトロポリタン美術館も同じ図を所蔵しています。

描かれた場所の今

月の岬は、今の港区高輪から品川区北品川にかけての八ツ山や御殿山のあたりとされます。海は鉄道や埋め立て地に変わり、座敷から海を見下ろした景色は残っていません。品川駅の南には、旧東海道の品川宿の町並みが続いています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

出典・参考

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