木曽海道六拾九次之内 ・ 25
八幡
きそかいどうろくじゅうきゅうつぎのうち やわた
The Sixty-nine Stations of the Kisokaido: Yawata
八幡宿の近く、小川に架かる板橋を農夫や旅人が渡る広重の図です。竹やぶに囲まれた藁屋根の家と、緑の土手、青い流れが重なり、千曲川の西に広がる佐久平の田園ののどかさを伝えています。
- 画家
- 歌川広重
- 制作年
- 天保6〜9年頃(1835〜38年頃)
- 技法・形式
- 木版画(浮世絵)
- 揃物
- 木曽海道六拾九次之内(全71図)
- 描かれた場所
- 八幡宿(長野県)
作品に ついて
手前を左から右へ青い小川が流れ、細い板橋が斜めに架かっています。橋の上を、荷を下げた老人と、草を山のように背負った人が渡り、左の岸では杖をついた老人が川をのぞき込んでいます。中景の土手の上には藁屋根の家が建ち、奥の道を旅人が歩きます。
土手は明るい緑で塗られ、上へ向かって色を濃くしています。家の後ろには竹やぶが茂り、さらに奥に藍色の山が二つ重なります。川の青、土手の緑、山の藍と、寒色を重ねた落ち着いた配色の中で、藁屋根の黄色が明るく映えます。
八幡は塩名田と望月の間にある宿で、宿の名は鎮守の八幡神社に由来するとされます。千曲川の西に広がる佐久平の農村の中にあり、旅人は田の間の小川をいくつも渡って進んだと考えられます。
歌川広重の担当の図です。広重はこの揃物で、宿場の家並みよりも、宿の周りの田園で働く人々の姿を描くことが多く、この図もその一つです。人物は小さく、穏やかな村の暮らしの一場面として描かれています。
描かれた 場所の 今
八幡宿の跡は佐久市八幡にあります。宿名の由来とされる八幡神社の境内には、室町時代の建立と伝わる旧本殿の高良社が残り、国の重要文化財に指定されています。本陣跡も市の史跡で、旧道沿いに宿場の名残が見られます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-91
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1939.2209
出典・参考
- Art Institute of Chicago: No. 25: Yawata, from the series "Sixty-nine Stations of the Kisokaido (Kisokaido rokujukyu tsugi no uchi)"(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 木曽海道六拾九次之内 八幡(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 二拾五 木曽海道六拾九次之内八幡(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- Wikipedia: 木曽海道六十九次(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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