名所江戸百景 ・ 21
芝愛宕山
めいしょえどひゃっけい しばあたごやま
One Hundred Famous Views of Edo: Mount Atago, Shiba
作品に ついて
右手前に、羊歯の飾りと金の角のような飾りを付けたかぶり物をかぶり、大きな杓文字とすりこぎを持った男が立っています。左には朱塗りの社殿の柱と軒が見えます。男の背後には杉の木立と眼下の町並み、帆掛け舟の浮かぶ江戸湾が広がります。
人物を大きく近くに描き、遠くの海を小さく見せる対比が印象的です。杓文字の淡い黄色と装束の茶色、海の藍が画面を引き締め、空には凧が揚がっています。
愛宕山は江戸の町を見下ろす高台で、山頂の愛宕神社は防火の神として信仰されました。正月三日には別当の円福寺で強飯式が行われ、毘沙門の使いに扮した者が僧たちに飯を強いる問答をしたと伝えられます。
春の部の第21図です。題の短冊とは別に「正月三日 毘沙門の使」と書き添えられ、名所の景色より行事の人物を主役にした珍しい図です。改印は安政4年(1857)8月です。行事を見物する視点ではなく、行事の人物そのものを主役に据えた構図は、揃物の中でも異色の一枚とされます。広重は以前にも同じ行事を描いており、愛着のある題材だったと考えられます。
描かれた 場所の 今
愛宕神社は今も港区愛宕の愛宕山の上にあり、正面の急な男坂の石段は「出世の石段」として知られます。愛宕山は標高約26メートルの自然の山で、山上にはNHK放送博物館もあります。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-339
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1939.1400
出典・参考
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