名所江戸百景 ・ 37
墨田河橋場の 渡かわら 竃
めいしょえどひゃっけい すみだがわはしばのわたしかわらがま
One Hundred Famous Views of Edo: Tile Kilns and Hashiba Ferry on the Sumida River
作品に ついて
左下に瓦を焼く窯の黒い屋根と、薪を積んだ柵があり、窯から灰色の煙が太く立ちのぼって画面の上まで届いています。中景の川には人を乗せた渡し舟が二艘浮かび、手前の水面を白い鳥が群れて泳いでいます。対岸は水神の森の木立と茅葺きの家々で、左の遠くに筑波山が見えます。
縦に大きく流れる煙が画面を二つに割り、その向こうに水平に広がる川と対岸がのぞきます。淡い水色の川面と煙の灰色が穏やかな調子をつくり、窯の黒が手前を引き締めています。
橋場は浅草の北で、隅田川を渡って向島へ向かう渡し舟が古くから通っていました。隣の今戸の川べりには瓦や土人形を焼く今戸焼の窯が並び、立ちのぼる煙はこの界隈の名物の眺めでした。白い鳥は、在原業平の歌で知られる都鳥と考えられます。
春の部の一図です。名所の渡しを、働く窯の煙という日々の暮らしの情景とともに描いており、隅田川沿いの名所を上流へたどる一連の図の一つになっています。
描かれた 場所の 今
橋場の渡しは大正の初めに近くへ白鬚橋が架かって役目を終え、今は台東区橋場のあたりに跡を示す説明板が残ります。今戸焼はわずかな職人によって受け継がれ、隅田川の両岸はテラスや公園として整備されています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-355
- 国立国会図書館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・千代田区 作品番号 寄別1-8-2-1イ
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1965.1034
出典・参考
- Art Institute of Chicago: Tile Kilns and Hashiba Ferry on the Sumida River (Sumidagawa Hashiba no watashi kawaragama), from the series "One Hundred Famous Views of Edo (Meisho Edo hyakkei)"(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 名所江戸百景 墨田河橋場の渡かわら竃(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 名所江戸百景 墨田河橋場の渡かわら竈(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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