木曽海道六拾九次之内 ・ 24
塩なた
きそかいどうろくじゅうきゅうつぎのうち しおなた
The Sixty-nine Stations of the Kisokaido: Shionata
作品に ついて
右手には葦簀を張った茶屋があり、床几に腰掛けた客が休んでいます。その上を大きな木が枝を広げて覆います。手前の河原では、着物をからげた男と、荷を背負った人、合羽の旅人が川岸へ歩いています。左の岸辺には渡し舟が何艘もつながれています。
夕暮れを思わせる黄色の空の下、川は藍と白のぼかしで明るく光ります。対岸の黒い木立と遠くの山並みは墨で重ねられ、手前の茶屋や人物の素朴な色と響き合います。斜めに流れる川が画面を左右に分け、奥へ視線を導きます。
塩名田は千曲川の東岸にある宿で、川の流れが急なため、橋が流されるたびに舟渡しや仮の橋で旅人を渡したと伝わります。川を前にした茶屋は、渡しを待つ旅人の休み場として欠かせなかったと考えられます。
歌川広重の担当の図です。広重は宿場の町並みよりも、旅人が出会う川や峠の景色を好んで描きました。この図でも、宿場の名を題にしながら、千曲川の渡しの場面を主題に選んでいます。
描かれた 場所の 今
塩名田宿の跡は佐久市塩名田にあり、千曲川に架かる中津橋のたもとに、旅籠や問屋の造りを残す家並みが見られます。河原には、明治に舟をつないで橋とした頃のものとされる舟つなぎ石が残り、市の史跡になっています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-90
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1925.3727
出典・参考
- Art Institute of Chicago: No. 24: Shionata, from the series "Sixty-nine Stations of the Kisokaido (Kisokaido rokujukyu tsugi no uchi)"(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 木曽海道六拾九次之内 塩なた(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 二拾四 木曽海道六拾九次之内塩なた(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- Wikipedia: 木曽海道六十九次(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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