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名所江戸百景 八景坂鎧掛松
画像:Art Institute of Chicago(作品ページ(新しいタブで開きます))(当サイトで縮小して掲載) CC0(新しいタブで開きます) 拡大して見る

名所江戸百景 ・ 26

八景坂鎧掛松

めいしょえどひゃっけい はっけいざかよろいかけまつ

One Hundred Famous Views of Edo: The Armor-hanging Pine at Hakkeizaka

大森の八景坂の上に立つ、源義家が鎧を掛けたと伝わる松を主役にした図です。大きく枝を広げた松の向こうに江戸湾が開け、白い帆の船が浮かぶ、眺めのよさで知られた坂の景色を描いています。

制作年
安政3年(1856)5月
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
名所江戸百景(全119図)
描かれた場所
八景坂(東京都)

作品について

画面の中央に、幹をくねらせた一本松が坂の上から海へ枝を伸ばしています。左下の坂道には茶店の床几や駕籠かき、馬を引く人が行き交い、右には田が広がります。松の向こうには江戸湾が開け、白い帆の船と沖に停まる大きな船が小さく見えます。

空の上は濃い藍、地平近くは夕焼けのような赤に染まり、その前に松の濃い緑がくっきり浮かびます。画面の下半分を斜めに走る坂と、水平に広がる海との対比が、坂の上の高さと眺めの広さを際立たせています。

八景坂は今の大田区山王、池上通りの坂で、坂上からの眺めがよく、八つの景色を数えたことからこの名がついたと伝わります。鎧掛松は、奥州へ向かう八幡太郎義家が鎧を掛けたという伝説の松で、東海道を行き来する人々も立ち寄る名所でした。

春の部の一図で、揃物の中では江戸の南のはずれ、東海道沿いの名所の一つです。一本の木を画面の中心に大きく描いて名所の由来を示すやり方は、この揃物によく見られる工夫です。

描かれた場所の今

八景坂は今も大森駅西口の池上通りの坂として残り、大田区の史跡に指定されています。鎧掛松は明治期に枯れ、坂上の天祖神社には江戸後期の句碑「八景碑」が残ります。駅や建物に囲まれ、かつての海の眺めは望めなくなりました。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

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出典・参考

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