名所江戸百景 ・ 26
八景坂鎧掛松
めいしょえどひゃっけい はっけいざかよろいかけまつ
One Hundred Famous Views of Edo: The Armor-hanging Pine at Hakkeizaka
作品に ついて
画面の中央に、幹をくねらせた一本松が坂の上から海へ枝を伸ばしています。左下の坂道には茶店の床几や駕籠かき、馬を引く人が行き交い、右には田が広がります。松の向こうには江戸湾が開け、白い帆の船と沖に停まる大きな船が小さく見えます。
空の上は濃い藍、地平近くは夕焼けのような赤に染まり、その前に松の濃い緑がくっきり浮かびます。画面の下半分を斜めに走る坂と、水平に広がる海との対比が、坂の上の高さと眺めの広さを際立たせています。
八景坂は今の大田区山王、池上通りの坂で、坂上からの眺めがよく、八つの景色を数えたことからこの名がついたと伝わります。鎧掛松は、奥州へ向かう八幡太郎義家が鎧を掛けたという伝説の松で、東海道を行き来する人々も立ち寄る名所でした。
春の部の一図で、揃物の中では江戸の南のはずれ、東海道沿いの名所の一つです。一本の木を画面の中心に大きく描いて名所の由来を示すやり方は、この揃物によく見られる工夫です。
描かれた 場所の 今
八景坂は今も大森駅西口の池上通りの坂として残り、大田区の史跡に指定されています。鎧掛松は明治期に枯れ、坂上の天祖神社には江戸後期の句碑「八景碑」が残ります。駅や建物に囲まれ、かつての海の眺めは望めなくなりました。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-344
- 国立国会図書館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・千代田区 作品番号 寄別1-8-2-1イ
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1939.1404
出典・参考
- Art Institute of Chicago: The Armor-hanging Pine at Hakkeizaka (Hakkeizaka Yoroikakematsu), from the series "One Hundred Famous Views of Edo (Meisho Edo hyakkei)"(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 名所江戸百景 八景坂鎧掛松(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 名所江戸百景 八景坂鎧掛松(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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