木曽海道六拾九次之内 ・ 26
望月
きそかいどうろくじゅうきゅうつぎのうち もちづき
The Sixty-nine Stations of the Kisokaido: Mochizuki
満月の夜、松並木の坂道を旅人や荷馬が行く望月宿の図です。宿の名にちなむ月を空に掲げ、闇に浮かぶ大きな松の幹と、谷の向こうの山の影で、静かな夜の道中を描いています。
- 画家
- 歌川広重
- 制作年
- 天保6〜9年頃(1835〜38年頃)
- 技法・形式
- 木版画(浮世絵)
- 揃物
- 木曽海道六拾九次之内(全71図)
- 描かれた場所
- 望月宿(長野県)
作品に ついて
左手前から奥へ、ゆるやかに上る道が続いています。道沿いには太い松が並び、その下を荷を背負った旅人や、俵を積んだ馬が進みます。右手は谷に落ち込み、斜めに伸びる松の枝の向こうに、霞んだ山並みと月が見えます。
空は藍の濃いぼかしで、上端ほど暗くなっています。松の幹は淡い紅で塗られ、葉の墨色との対照で夜の光を受けて浮かび上がるように見えます。道の灰色と、斜面の青緑の帯が画面を斜めに分け、奥へ続く坂の長さを感じさせます。
望月は八幡と芦田の間の宿で、古くは朝廷に馬を納める望月の牧があったことで知られます。毎年八月の満月の頃に馬を献上したことから「望月の駒」と呼ばれ、宿の名もそれにちなむと伝わります。
歌川広重の担当の図です。宿の名の「望月」を満月に掛け、夜の景色として描いたものと考えられます。シカゴ美術館やメトロポリタン美術館にも同じ図があり、刷りによって空のぼかしの色合いが少しずつ違います。
描かれた 場所の 今
望月宿の跡は佐久市望月にあり、旅籠と問屋を兼ねた大和屋(真山家住宅)が国の重要文化財として残ります。本陣の跡地には望月歴史民俗資料館が建ち、宿場の歴史や御牧の資料を伝えています。旧道沿いには脇本陣の建物も見られます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-92
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1963.701
- メトロポリタン美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
ニューヨーク 作品番号 JP585
出典・参考
- Art Institute of Chicago: No. 26: Mochizuki, from the series "Sixty-nine Stations of the Kisokaido (Kisokaido rokujukyu tsugi no uchi)"(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 木曽海道六拾九次之内 望月(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 二拾六 木曽海道六拾九次之内望月(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- The Metropolitan Museum of Art: Mochizuki Station (JP585)(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- Wikipedia: 木曽海道六十九次(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
長野県をもっと知る
姉妹サイトで、同じ土地の別の魅力も訪ねてみませんか。






