木曽海道六拾九次之内 ・ 35
岐阻街道 奈良井宿 名産店之図
きそかいどう ならいじゅく めいさんてんのず
The Sixty-nine Stations of the Kisokaido: Shop Selling Local Specialties at Narai Station
奈良井宿の名物を売る店先と、山あいの道を行く旅人を描いた英泉の図です。「お六櫛」の看板を掲げた店で客が品定めをし、背後には木曽谷の険しい山がそびえ、山中の宿場の暮らしが見えます。
- 画家
- 渓斎英泉
- 制作年
- 天保6〜7年頃(1835〜36年頃)
- 技法・形式
- 木版画(浮世絵)
- 揃物
- 木曽海道六拾九次之内(全71図)
- 描かれた場所
- 奈良井宿(長野県)
作品に ついて
右手に板葺きの店があり、軒には「お六櫛」と書かれた看板が掛かっています。店の中では職人や店の者が品を並べ、店先では旅人が足を止めて品物を手に取っています。左の坂道を笠をかぶった旅人や荷を背負った人が上り、手前の屋根の上には石が置かれています。
画面の左半分には霞に包まれた山々が重なり、灰と墨のぼかしで奥行きが出ています。店の赤茶の屋根と、人物の藍や緑が右半分を彩り、左の淡い山との対比をなします。崖の上には木が生え、山の斜面に張りつくような宿の姿が伝わります。
奈良井は贄川と藪原の間の宿で、鳥居峠の北の麓にありました。峠越えの前後に泊まる旅人で栄え、「奈良井千軒」と呼ばれるほどのにぎわいだったとされます。お六櫛は木曽の名産で、峠を挟んだ宿で土産として売られていたと考えられます。
揃物の前半を受け持った渓斎英泉の図で、東京国立博物館の刷りは無款です。英泉は題に名産や名所を記して描くことが多く、この図でも宿の名物を主題にしています。屋根に石を載せた板葺きの家は木曽の山里らしい姿です。
描かれた 場所の 今
奈良井宿は塩尻市にあり、約1キロにわたって出梁造りの家並みが続き、1978年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。漆器や曲物の店、旅籠を営む家も多く、鳥居峠へ向かう石畳の峠道も歩くことができます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-102
海外の所蔵館
出典・参考
- ColBase(東京国立博物館): 岐阻街道 奈良井宿 名産店之図(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 三十五 岐阻街道奈良井宿名産店之図(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- Wikipedia: 木曽海道六十九次(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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